2017年12月3日日曜日

「もんじゅ」廃炉想定せずの記事に「日本原子力研究開発機構」が反論、しかし墓穴ってこのこと

毎日新聞
<もんじゅ設計>廃炉想定せず ナトリウム搬出困難
11/29(水) 6:40配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171129-00000008-mai-sctch
 廃炉が決まっている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。放射能を帯びたナトリウムの抜き取りは廃炉初期段階の重要課題だが、同機構が近く原子力規制委員会に申請する廃炉計画には具体的な抜き取り方法を記載できない見通しだ。
 通常の原発は核燃料の冷却に水を使うが、もんじゅは核燃料中のプルトニウムを増殖させるため液体ナトリウムで冷やす。ナトリウムは空気に触れれば発火し、水に触れると爆発的に化学反応を起こす。もんじゅでは1995年にナトリウムが漏れる事故が起き、長期停止の一因になった。
 原子力機構によると、直接核燃料に触れる1次冷却系の設備は合金製の隔壁に覆われ、原子炉容器に近づけない。また、原子炉容器内は燃料の露出を防ぐため、ナトリウムが一定量以下にならないような構造になっている。このため1次冷却系のナトリウム約760トンのうち、原子炉容器内にある数百トンは抜き取れない構造だという。
 運転を開始した94年以来、原子炉容器内のナトリウムを抜き取ったことは一度もない。
 原子力機構幹部は取材に対し「設計当時は完成を急ぐのが最優先で、廃炉のことは念頭になかった」と、原子炉容器内の液体ナトリウム抜き取りを想定していないことを認めた。炉内のナトリウムは放射能を帯びているため、人が近づいて作業をすることは難しい。
 原子力機構は来年度にも設置する廃炉専門の部署で抜き取り方法を検討するとしているが、規制委側は「原子炉からナトリウムを抜き取る穴がなく、安全に抜き取る技術も確立していない」と懸念する。
 もんじゅに詳しい小林圭二・元京都大原子炉実験所講師は「設計レベルで欠陥があると言わざるを得ない。炉の構造を理解している職員も少なくなっていると思われ、取り扱いの難しいナトリウムの抜き取りでミスがあれば大事故に直結しかねない」と指摘する。【鈴木理之】
 【ことば】高速増殖原型炉「もんじゅ」
 プルトニウムとウランの混合酸化物を燃料に、発電しながら消費した以上のプルトニウムを生み出す原子炉。出力28万キロワット。原型炉は実用化までの4段階のうちの2段階目。1994年に運転開始したが、95年に2次冷却系のナトリウムが漏れる事故が発生し、長期運転停止。その後も点検漏れなど不祥事が相次ぎ、約250日しか稼働しないまま昨年12月に政府が廃炉を決めた。




国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は、この記事に対して事実とは異なると「遺憾」反論しています。

平成 29 年 11 月 29 日付毎日新聞における「もんじゅ」に関する報道について
https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/article/2017/112902.pdf

一部引用:
これらについては、技術的に可能であるにも関わらず、あたかも原子炉容器からナトリウムを抜き出すことが極めて困難であり、かつ、あらかじめ設計上の配慮を怠ったかのような印象を読者に与えようとするものであり、更には事実関係を十分に取材せずに掲載されたものであることから、当機構としては甚だ遺憾であります。
:引用ここまで

 この反論文に書かれている解説を読みました。
「本件に関する事実関係の詳細は、以下の「記事解説」をご覧下さい。」となっている解説書を読みますと・・・・
https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/article/2017/112901.pdf

一部引用:

○ 運転段階においては、原子炉容器内にある燃料を冷却するために、万一の配管が破断するような事故が発生した場合においても、燃料がナトリウムから露出することが無いよう原子炉容器内のナトリウムを抜き取る設計にはしていない。原子炉容器内のナトリウムの抜き取りについては、今後詳細に検討して決定していくが、原子炉容器の底部まで差し込んであるメンテナンス冷却系の入口配管を活用するなどにより抜き取ることが技術的に可能と考えている。その上で原子炉容器の最底部に残留するナトリウム(約1㎥)については、更なる抜き取り方法を検討するが、技術的に十分可能なものである。

:引用ここまで

 毎日新聞の記事対して「日本原子力研究開発機構」の反論を読み、そこに書いてあるリンク先の「記事解説」を読んで見ますと、毎日新聞の記事は間違っていないと思えます。
 
 「もんじゅ」はナトリウムを抜くための装置や配管は設計段階から作られておらず、ナトリウム漏れで爆発炎上の危険があっても何もできないとなります。
 つまり事故が起こった場合、何も出来ない原子炉を動かしていたと思うと恐怖です。
 ナトリウムの抜き取りは、「今後検討して」と言うことは「現時点で抜き取る方法はない」と言うこと。
 今も膨大な電力で加熱して液体になった高濃度放射能汚染されたナトリウムを循環させている原子炉内のパイプやポンプは何時まで壊れずに動くのか心配です。
 今まで、まともに動かしてこなかった「日本原子力研究開発機構」と言う公務員体質の技術者が「技術的に可能と考えている」って誰が信用するのでしょうか?

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