2019年2月10日日曜日

仮想通貨取引所の創業者死亡で仮想通貨のパスワード紛失は詐欺?

仮想通貨ミステリー、巨額資金は永久凍結か喪失か
https://diamond.jp/articles/-/193449
2019.2.8 The Wall Street Journal  ダイヤモンド・オンライン
 カナダの大手仮想通貨取引所クアドリガCXは、1億4000万米ドル(約150億円)相当に上る顧客の仮想通貨にアクセスできなくなったと明らかにした。創業者で唯一の社員だったジェラルド・コットン氏(30)が、パスワードを誰にも明かさないまま急死したためだという。
 だが、外部の調査会社2社は、クアドリガの取引記録を分析した結果、資金は引き出せない状況にあるのではなく、喪失している可能性があるとみている。クアドリガが顧客資金を他の仮想通貨取引所に移した形跡があるものの、その後はどうなったかは不明だという。
 調査会社の分析結果は、クアドリガの主張に反論した格好で、不透明で予測不可能とされる仮想通貨業界の中でも、事件はさらに異例の展開をたどっている。
 クアドリガはコットン氏が2013年12月に創業した。同社は1月15日、ウェブサイトで、コットン氏が昨年12月9日、孤児院の建設に取り組んでいたインドで、クローン病に絡む合併症のため死亡したと発表。その2週間後にノバスコシア州の裁判所に破産法の適用を申請した。
 クアドリガによると、顧客口座の残高は合計2億5000万カナダドル(約210億円)。このうち現金は7000万カナダドルで、残る1億8000万カナダドル(1億4000万米ドル)の仮想通貨は、コットン氏のラップトップ内にある準備口座に保管されているとしている。
 コットン氏の妻、ジェニファー・ロバートソン氏によると、コットン氏はノバスコシアの自宅から事業を営んでいた。業界内で「ホットウォレット」と呼ばれるネット環境下の稼働中の口座から、オフライン環境の「コールドウォレット」と呼ばれる準備口座に資金を移動できるのは、コットン氏だけだという。クアドリガはコットン氏のラップトップの暗号解除を試みたが、成功しなかったと説明している。
 仮に口座にアクセスできない状態が続けば、顧客の資金は永久に凍結される可能性がある。
 仮想通貨の世界では、クアドリガのようなケースを防ぐための指針や規制が存在しない。
 だが一部の専門家は、クアドリガの対応を待たずに問題解決へと動いている。仮想通貨アナリストのジェームズ・エドワーズ氏は、ウェブサイト「ゼロナンセンス」で、クアドリガの取引記録に関する調査結果を公表。「特定可能なコールドウォレット内の資金はないもようだ」とし、巨額資金が保管されたウォレットをクアドリガが管理していた証拠は発見できなかったと指摘した。クアドリガはコメントを控えた。
 エドワーズ氏はクアドリガの顧客50人以上から情報を収集。その上で、取引記録を解析し、クアドリガの資金の流れを追った。その結果、顧客とクアドリガの取引記録から、ホットウォレットの存在が明らかになったが、クアドリガが存在を主張しているコールドウォレットへの資金の動きは特定できなかったという。
 コールドウォレットが存在するなら、ホットウォレットからの資金の出入りがいずれかの時点で表れるはずだとエドワーズ氏は説明する。
 エドワーズ氏は主に、クアドリガのビットコイン保有を中心に調査した。別の分析会社エレメンタス・グループはイーサの保有を調べたが、エドワーズ氏と同じ結論に至ったとしている。
 エレメンタスのマックス・ガルカ最高経営責任者(CEO)はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「コールドウォレットは存在していない可能性が極めて高い」と語った。資金の大半は、ビットフィネックス、ポロニエックス、シェイプシフトなど、他の取引所に移動しているもようだという。
 クアドリガの主張に否定的な向きは、入手可能な取引記録が確実性をもたらすことはないと認めているものの、実際に資金が凍結された状態にあるのかどうかを調べる方策はあるとの指摘も出ている。仮想通貨の開発者、アモリ・セシェ氏は、クアドリガはコールドウォレットのアドレスを公表すべきと主張する。こうすることで、アクセスはできなくても、どの程度の仮想通貨が保管されているか確認することができるという。
(The Wall Street Journal/Paul Vigna)


 仮想通貨のウォレットで所有者の死亡でパスワード紛失、引き出せなくなったと」言うニュースを聞いた時、金持ちの個人の話か?と聞き流していたのですが、この仮想通貨が顧客から預かっていたお金だったそうで、また詐欺かと思った次第です。
 ビットコインがまだ有名でなかった頃に、仮想通貨交換会社のマウントゴックスでハッキング盗まれたとして、顧客が存した事件は、社長がマウントゴックスのホットウォレットから抜き取った物です。
 今回は、ハッキングなどから守るために、移されたコールドウォレットのパスワードが不明な為、お金が引き出せないパターンです。
 取引所のような機関は、普通に何重にもセーフティーをかけるものですが、クアドリガはコットン氏一人だけで経営(2016年に他の社員はすべて解雇)と、なにもリスク管理がされていない、こんな会社にお金預けている顧客もどうかとは思います。
 ウォレットのアドレスが公開されれば、ブロックチェーンを解析して、お金が入っているかだけは判るはずです。
 仮想通貨はパスワードが見つからなければ、永遠に引き出せませんが、ウォレットのアドレスが判れば詐欺かどうかは判ります。
 個人的には、詐欺だと思いますけど。

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