ユーロ圏債券「中国、保有政策を見直し」 英FT紙
26日のニューヨーク株式市場でダウ工業株30種平均が下落するきっかけとなった英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)の同日付記事の要約は以下の通り。
世界最大の外貨準備高/を誇る中国がユーロ導入国が発行する債券の保有政策の見直しに入っている。中国人民銀行(中央銀行)の傘下で外貨を管理する国家外貨管理局の関係者は最近、複数の北京駐在の外資系銀行関係者と会い、意見交換を繰り返している。
外貨管理局はギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペインの債券保有に懸念を示したという。同局は推定で6300億ドル相当のユーロ圏の債券を管理している。
「これは大きな政策転換となる。昨年、中国はユーロ圏の資産を購入することでドル資産を減らそうとしていた。いまは完全に逆の動きが起きそうだ」。ある投資家はこう指摘する。
ただ中国では毎月、外貨準備高が増えているため、外貨管理局が(ユーロ圏の国債を含む)資産の持ち高を大幅に圧縮することはまれだとアナリストは指摘する。代わりに新規の資金配分を減らすことで、外貨準備全体に占める割合を低下させるとみられる。
最新の外貨管理局の発表によれば、3月末時点の中国の外貨準備高は2兆4470億ドルで、過去6カ月で1740億ドル増えている。(フィナンシャル・タイムズ特約)
このニュースを聞いて感じることは、中国が外貨準備をドルに頼らざるを得ないということで、政治・外交面でも米国に優位性が復活しそうです。
リーマンショック後からこれまでは、中国が米国債を売ることを懸念していた米当局の心配が少なくなった感じです。
ドルへの資金流入と投資家の米国債購入は米国の金利低下を促進するので、ドル高・円高は当分続くと思います。
と、週末下書きを書いたのですが、27日に中国当局が異例の発表。
The State Administration of Foreign Exchange, which manages China's $2.5 trillion (£1.7tn) foreign reserves, put out a rare statement after a Financial Times story that caused the euro and US stocks to fall in New York trading last night.今日のイベント
"This report is groundless," the agency said. "The European market in the past, present and future always will be one of the major investment markets for the State Administration of Foreign Exchange."
ヨーロッパと米国の株価を値下がりさせたフィナンシャル・タイムズ紙の記事を受けて、中国の1.7兆ポンドに上る外貨準備を管理する国家投資機関が珍しく声明を発表した。
「このレポートは事実無根です」と、当局が発表。「過去、現在と将来のヨーロッパの市場は、国家投資機関の外貨取引を行う投資市場のうちの1つです。」
英FT紙の、中国がユーロ圏債券の保有を見直す、との報道を中国金融当局が強く否定したことで市場には安心感が広がった。
さて、フィナンシャル・タイムの記事は間違いだったのか?
中国政府のことですから、色々工作した可能性が高い、欧州と米国に揺さぶりをかけていると思われます。
中国としては米国有利な展開は避けたいが、ユーロも買い進められない、今後も中国からのリーク情報に市場が大きく揺れるので、投資は慎重に行いたいと思います。
10:30 豪 第1四半期経常収支
12:00 NZ NBNZ企業信頼感 5月
本日はロンドンとニューヨークはお休み。
今週の注目は
今週の注目は
・ユーロ圏ゾブリンリスク(ギリシャ、スペイン、ポルトガル、アイルランドなど)
・米雇用関連指標(チャレンジャー、ADP、失業保険 非農業部門)
・ISM製造業、非製造業
・RBAキャッシュターゲット
・豪GDP、小売、住宅建設許可
AUDは先週末ちょっと戻しましたが、金利も据え置きの可能性が高いので上がる要因が少ないと思います。なので豪GDPが悪いと下げが大きいかな。