2010年5月18日火曜日

「自由市場経済は人々の暮らしに良い」と思っている人々はどのくらい?


金融そして時々山さんの記事
【数字は語る】中国79%、日本41%
「中国で79%、日本で41%、インドで81%、米国で76%」これが何の数字か分かりますか?分かれば敬服します。私は見当もつかなかったので。
これは「自由市場経済は人々の暮らしに良い」と考えている人の割合(Pew Research CenterAre people better off in a free market economy?という調査結果による)
この調査によると自由市場経済は暮らしに良いと考える人の比率で日本はアルゼンチンについて2番目に低い(アルゼンチンは36%)。
一番高かったのはケニアで84%の人が自由市場経済は人々の暮らしに良いと考えている。
欧州諸国は英国66%、ドイツ61%、フランス57%と発展途上国や米国に較べて総じて低い。お隣の韓国は76%の人が自由市場経済は暮らしに良いと回答している。
何故日本ではこれ程自由主義経済が暮らしに良いと考える人が少ないのだろうか?この調査は2009年に行われたものだが、リーマンショック前の2007年の調査を見ても、日本人は49%の人しか自由市場経済は暮らしに良いと回答していない(下から数えて7番目)。
更に戻って2002年時点の調査を見ても、日本は43%の人が自由市場経済は良いと答えているのみである(下から数えて5番目)。
その原因が何であるか私には分からない。表向きは共産主義の旗を掲げている中国で8割近い人が自由市場経済は暮らしに良いと答え、表向きは世界第2の資本主義国である日本で4割の人だけが自由市場経済は暮らし向きに良いと答えることに違和感を覚えるのみである。

金融そして時々山さんのブログを読んで、元データを探してみました。
About the Key Indicators Database

ここには、色々なアンケート結果が載っていて、面白い、まあ、アンケートは調査方法によっても大きく変わってしまうので、すべてが真実と見るわけにはいけませんが、世界の人々の傾向を見るには良さそうです。
ここの中の、質問―世界経済―自由市場経済は人々の暮らしに良いか?とたどっていくと
Pew Global Attitudes Project - Views of the Free Market
Are people better off in a free market economy?
が表示されます。

ケニヤ(Kenya 84%
パレスチナ(Palestinian ter. 82%
インド(India 81%
中国(China 79%
韓国(South Korea 76%
アメリカ(United States 76%
イスラエル(Israel 72%
イギリス(Britain 66%
カナダ(Canada 66%
ナイジェリア(Nigeria 66%
ブラジル(Brazil 65%
パキスタン(Pakistan 65%
ポーランド(Poland 65%
レバノン(Lebanon 64%
ドイツ(Germany 61%
エジプト(Egypt 60%
トルコ(Turkey 60%
フランス(France 57%
スペイン(Spain 57%
ヨルダン(Jordan 54%
メキシコ(Mexico 52%
ロシア(Russia 51%
インドネシア(Indonesia 49%
日本(Japan 41%
アルゼンチン(Argentina 36%

ページのグラフで国名のところをクリックすると、各国ごとのページになり、調査年による推移をみることが出来ます、データはあまりありませんが。
そこに、調査に使った質問文があって、訳してみると、こんな内容です。
質問文の全体:
次の質問に答えてください。
「たとえ金持ちな人と貧乏な人が出てくるとしても、自由市場経済のもとで、大部分の人は暮らしがよくなる」
回答:
「完全に同意(completely agree)」
「ほぼ同意(mostly agree)」
「ほぼ不同意(mostly disagree)」
「完全に不同意(completely disagree)」
すみません、英語力無いので、変な訳になっています。
これを世界中で集計した結果がグラフになっています。

 日本はアルゼンチンに次いで下から2番目・・・ インド、中国、韓国、アメリカなどは80%近辺で、ドイツ、フランスなども60%近辺、ロシアも約50%で、日本は約40%なんですね、ましてロシアより下とは思いませんでした。
 日本にはこういう傾向があるとは思っていましたが、ここまですごい数字が出てくるとは思ってもいませんよね。
 市場や競争をワルモノ扱いするマスコミの影響が大きいのか、アンケートを取った人の選択が悪いのか?多分このアンケートはネットで行っていると思います。ネットでのポイントが貰えるアンケートに海外提携と言うのがあって、それの結果を集計していると思われます。なので、あまり老人の意見は入っていないのではないかと推測できます。
 とは言うものの、国民が自由市場経済を信じていないと、自由な市場経済を規制する政策が支持されてしまい、社会主義的な計画経済に近づいていく。それは官僚主導の規制を増やせば増やすほど良いという考え方になってしまいます。
 かといって日本国民の場合、社会主義にしたほうが良いとは思っていない感じで、「市場経済も政府も信用していない」というのが、日本国民の心情なのでしょうか。
 何に対しても否定やネガティブキャンペーンを張っているマスコミの影響が大で、マイナスの側面ばかり見るような世論が蔓延しているのが原因かもしれない。
 市場経済も企業も自分のことしか考えていない、政治家も官僚も国民の利益は考えない、そうなると「ではどうするのか?」という部分は自分のことは自分で守るしかないと言う結論になってしまう、自分でやれるならこんなところでぼやいていないか(爆)。
 結論は出ませんので、私的意見ですが個人がやるのは閉塞的な日本の投資は止めて、海外投資を頑張るしかなさそうです。

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07:45   2010年第1四半期  ニュージーランド  生産者物価指数(PPI)(生産高)(前期比)
08:50   3  日本  3次産業活動指数
17:30   4  英国  小売物価指数(RPI)(前月比)
17:30   4  英国  小売物価指数(RPI)(前年比)
17:30   4  英国  小売物価指数(RPIX)(除くモーゲージ利払い)
17:30   4  英国  消費者物価指数(CPI)(前月比)
17:30   4  英国  消費者物価指数(CPI)(前年比)
17:30   4  英国  消費者物価指数(CPI)(コア)(前年比)
17:30   4  香港  失業率
18:00   4  ユーロ  ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(前月比)
18:00   4  ユーロ  ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(前年比)
18:00   3  ユーロ  ユーロ圏貿易収支(季調前)
18:00   4  ユーロ  ユーロ圏消費者物価指数(コア)(前年比)
18:00   3  ユーロ  ユーロ圏貿易収支(季調済)
18:00   5  ドイツ  ZEW景況感指数
21:30   4  米国  住宅建築許可件数
21:30   4  米国  住宅着工件数
21:30   4  米国  生産者物価指数(PPI)(前年比)
21:30   4  米国  生産者物価指数(PPI)(前月比)
21:30   4  米国  生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)(前年比)
21:30   4  米国  生産者物価指数(食品・エネルギー除くコア)(前月比)

FX投資
ポジションが多くなったので様子見でした。
ちょっと戻しましたが、今日は、先日の豪中銀政策委員会の議事録が発表される予定。
 スティーブンス総裁は、金利は平均的水準に到達したと述べていた。実際、その後に発表になった統計でも、住宅ローンの減少が報告されており、利上げの効果が浸透しつつある。一方で、中国も不動産バブル引き締めから、利上げや人民元切り上げ観測が強まる中、景気の鈍化も警戒されている状況。ただ、先週発表になった雇用は強い動きとなっており、市場も連続利上げが一旦休止になるのかどうか判断もしづらい状況にある。明日の議事録が大きなヒントになる可能性もあり、豪ドルに関しては慎重な動きも出始めているようです。

2 件のコメント:

  1. 自由市場経済の「自由」をよく理解していなか勘違いしている人が最近多くなっていると思われます。原因は、学校教育とマスコミと思います。

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  2. TXIさん、こんにちは
    そうですね、日本ではお金の教育や現代史、投資について学校では教えません。
    自由経済を簡単に言うと「ルールを外れなければ、好き勝手に金儲けしてください、儲からなかったり損したりするのは、あなたの才能(運も才能のうち)です!」と言うことです(笑)。

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