2010年5月17日月曜日

ギリシャの物語

経済ニュースゼミさんのブログにギリシャがなぜ問題になっているのかを、書いておられます。

 欧州のギリシャ支援にも拘わらず、ギリシャの幾つかの大きな労働組合は国民にストライキを行うように呼びかけ続けている。
来週も、ギリシャ国民は、公務員の給与カットを決めた政府の決定に反対するためにストライキを予定している。
 多くの人々は、何故ギリシャがこのように借金漬けになったのかと考えていることであろう。そこで、我々はレポーターを現地に送ることにした。
  ギリシャの物語は、一つの変化とともに始まる。10年前に大きな変化が起こったのである。そうなのだ、ユーロが導入されることになったのだ。それが全てを変えた。我々は、考え方を全く変えたのだ。銀行についての考えも変える必要があった。全ては新しくなった。事態はスーパーマーケットのようになった。人々はいろいろな品物をどんどん買うようになった。
 驚くべきことであった。それまで我々は、ローンを借りるようなことは殆どなかった。自分で預金して、そしてそれを降ろして使っていたのだ。
 しかし、その日から事情が変わった。消費者ローンの金利は、18%から15%12%6%4%とどんどん低下していった。
 ある男は車を買った。そして、6ヶ月後にまた車を買った。その男の隣人は家を買った。そして別荘も買った。人々はバケーションを楽しむためにローンを借り、そしてそのローンを返すためにローンを借りた。
 ギリシャのどこを訪れようとも、人々は10年前の出来事をよく覚えている。それまではトヨタに乗っていたが、その後ベンツに乗るようになったと答える人もいるだろう。
 人々は安い金利でローンを借りることができるようになったが、それは政府も同じであった。政府は失業率を下げるために労働者を雇った。そして、一旦雇った労働者は二度とクビにすることはしなかった。湖を干拓するために設立された機関があるが、干拓が済んでもう30年にもなるのにその機関はまだ存在しており、そしてそこから給料をもらっている者がいるのだ。
 あの時から金利が下り出したということを知らない者は誰もいない。ただ、皆が知らないのは、何故金利が下がり出したかということだ。どこからお金が来るのか? それは、天から降ってくるように思えた。
 しかし、そのお金がどこから来ているのかを知っている者たちがいた。200人もの人たちが集まっている部屋があった。いつもより少し騒がしかったが‥。実は、その部屋は世界最大の債券トレーダー業者の一つであるPIMCOの一室であったのだ。
 10年前、ギリシャのバンカーがそこに呼ばれた。PIMCOのトレーダーたちは、そのとき決定した。ギリシャへの融資方針を考え直そう、ギリシャへの融資を再開しよう、と。そして彼らはギリシャ国債を大量に購入することになった。
 マーケットは、ギリシャに対して疑わしきは罰せずの方針で臨んだのだ。何故ならば、ギリシャはユーロ圏のメンバーになったのだから。
 それまでギリシャは、放漫財政で悪名が轟いていた。しかし、彼らは、大人として責任をもって行動することを約束したのだ。彼らは、ドイツなどと同じ通貨を使うことにもなる。もし、万が一のことが起きても、ドイツなどがギリシャを救済するのではないかとも思った。
 事態はそのように動いた。PIMCOは、ドイツとそれほど違わない金利でギリシャにお金を貸した。こうしてギリシャ国債の利回りが大きく低下しただけではなく、個人が借りるローンの金利なども大きく低下したのだ。そして、10年近くの時間が過ぎた。
 2009年、政権の交代が起きた。そして驚くべき発表を行った。
 前政権は、財政赤字はGDP6%相当だと言っていたが、実はその倍の12%に及んでいるのだ、と。
 PIMCOのトレーダーたちも、世界中の多くのトレーダーたちと同じようにショックを受けた。皆怒り狂った。余りにも数字が違い過ぎる、と。そして彼らは行動に出た。PIMCOは昨年、保有していたギリシャ国債を全て売り払ってしまった。
 彼らがギリシャ政府にもう国債は買わないと言った時に、ギリシャ政府は考え直してくれと言った。ギリシャ政府は、何度も何度も申し入れをしてきた。しかし、PIMCOはギリシャ国債を買うつもりはないし、それ以外のトレーダーたちも同じだ。
 ただ、EU諸国は、ギリシャに対して救済してやるといった。但し、教員や公務員などに支払う給料をカットすれば、と。
 それが、ギリシャ国民が怒っている理由なのだ。過ちを起こしたのはギリシャ政府なのに、ツケを払わされるのが国民の側だからだ。
 しかし、こんな話はギリシャに限ったことではないのだ。多くの先進国は狂っている。彼らは、税収以上の支出をもう何十年も続けている。
 ギリシャにとって当面必要なことは、もっとお金を借りることだ。
しかし、そのことをPIMCOのトレーダーたちは心配している。そんなことをしても本質的な解決につながらない。問題を先送りするだけだ、と。
(米国のNPRのニュース放送の要約でした)

 うーむ、借金生活で金利が安いと、働かず贅沢が出来る、そして返済と言う問題を先送りにして忘れる!
 堕落した生活を送った後は、清貧な生活に戻れません、ギリシャは潰すしかなさそう、どっかの国も税収より公務員の給料が高い・・・やはり、いつかは潰すしかなさそうです。

2 件のコメント:

  1. どこかの国も1度デフォルトしたほうがいいと思いますが、現状を見るとデフォルトした後の回復は見込めないのではと心配になります。

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  2. TXIさん、こんにちは
    ギリシャの状況を見ていると、デフォルトしても生活を変える気はなさそう。
    このまま、ユーロ離脱して、金利が大幅に上がって、なにも買えなくなってから、気が付くのでしょうが、その時は遅い、北朝鮮と同じになりますが、欧州では難民は簡単に国境を越えられるので、大混乱になると思います。

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