2010年5月25日火曜日

個人向け国債はぼったくり商品です

 銀行や証券会社の新聞広告で、安全な資産運用先として「個人向け国債」を薦めているのをよく見かけます。
「元本割れしないので絶対安全」「銀行の定期預金よりも有利」などといった内容に踊らされて、個人向け国債を購入する人々が後を絶ちません。
 私が考えるのには、2010年現在、個人向け国債は安全・有利などとはほど遠い完全なボッタクリ商品であり、買う価値はありません。
 一番の問題は、金利が通常の国債よりも大幅に低く抑えられている。
 変動10年物の場合は実際の10年債の金利マイナス0.8%、固定5年物の場合は実際の5年債から0.05%を引いた利息しか付きません。
 理由は「国が元本での買い取りを保証しているから」と言っていますが、個人では運用できないだろうからとバカにされているようです。
 このため最新の第22回債(平成221月発行)に至っては、税引き後の利息が0.36%にまで低下しています。
 ネットバンク系の定期預金なら1年定期でも1%近い利息もありますから、わざわざこんな商品を買う必要性は何処にもありません。
 これだけ利息が低いなら、わざわざ資金の流動性を硬直化させてまで買う価値はないでしょう。
 個人向け国債は、変動10年債なら1年、固定5年債なら2年は、途中解約が一切できません。
 人生には病気や事故など予期せぬ出費を強いられるリスクは少なくありません。0.36%の利子というのは、100万円を預けてもたった3600円しか増えないということです。
 それに国が元本保証しているのは、あくまでも満期時まで持ち続けた場合の事であり、途中解約する場合はペナルティコストが掛かります。
 変動10年物の場合は直近の利子2回分の80%、固定5年物の場合は直近の利子4回分の80%が、ペナルティとして引かれます。つまり最短(変動10年債なら1年、固定5年債なら2年)で途中解約すれば、利息はゼロになり、銀行の普通預金以下になってしまいます。
 国債と言うのはは高金利時に買うべき商品で、今の日本の超低金利国債は投資商品とは言えません。
 日本国債は国内でほとんど消化されていますが、買っているのは大手金融機関で、少ないけど正規の金利を受け取るからです。世界の常識で考えたら、それでも低金利すぎます。
 海外投資家が買わないのにはそれなりの理由があるわけですね。
 そもそも、国債のような固定金利型の金融商品は、金利が高い時に買うのが最も有利で、低金利時に買ってもほとんど利益を生みません。日本は現在、政策金利が0.1%とこれ以上下がりようのない水準ですから、将来金利は下がる事はなく上がるしかない訳です。
 極限に低金利な今、個人向け国債を買って銀行預金と大差ない金利と引き替えに、自由に使える資金を無くしてしまうことのほうがリスクが高いわけです。
 現在のような低金利下では、株式などリスク資産に積極的に投資する方が有利であり、安全資産を残したければネット銀行預金で十分と思います。

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2 件のコメント:

  1. 国債を購入する気がないので気にはしていませんでしたが、会社では国債を買っている人がいます。
    金利より安心感を優先しているようです。

    読者が5人になりましたね。

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  2. TXIさん、こんにちは
    個人向け国債は、金利低すぎですね、せめて個人でも発行元と同じ金利にして、手数料だけにすべきです。
    完全に個人はなめられています、困った国です。

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