2021年6月19日土曜日

皮肉たっぷりのダイヤモンドオンライン(DAIAMOND online)「東京五輪やっぱり最高!」が面白かったので紹介

 

 ダイヤモンドオンライン(DAIAMOND online)を読んでいて、面白かったので全文引用いたしました。

 長いので、最初の学校授業部分だけでも。


「東京五輪やっぱり最高!」というマスコミの手のひら返しを警戒すべき歴史的理由
https://cl.diamond.jp/c/ahsmaGkJzqzK2QbK
窪田順生:ノンフィクションライター
経済・政治 情報戦の裏側
2021.6.17 4:40
40年後の日本の子どもたちは
「東京五輪は日本を元気にした」と教えられる?
 2060年の日本――。
 ある小学校で、日本の近代史を学ぶ授業が開かれている。子どもたちに向けて、教師が誇らし気な顔でこんな説明をした。
「えー、前回勉強したように、2021年の日本は前年から続くコロナ禍よって経済が止められ、多くの国民は大変苦しい思いをしていました。しかし、そんな日本を元気にしたのは…そう、オリンピックですね。その理由はなんでかわかる?」
 教師が子どもたちを見渡すと、1人の少女が手を挙げて、ハキハキとした口調でよどみなく答えた。
「はい!日本のアスリートたちによるメダルラッシュで、過去最多の金メダルを獲得するなど、スポーツの力によって国民を勇気づけたからです。また、大会前には感染拡大の恐れがあると言われていましたが、菅義偉総理がリーダーシップを発揮して『安心安全な五輪』を見事成功させるというレガシーをつくって、日本のすごさを世界中に見せつけたからです」
 教師は満足そうにうなずくと、「そう、ここは日本人なら知っておかないといけない常識だからな。テストにも出るからしっかり覚えておくように」とつけ加えた。
 未来の日本で、こんな北朝鮮みたいな「ナショナリズム丸出しの思想教育」をしているわけがないだろ…とあきれる方もいらっしゃるだろうが、最近の社会ムードに鑑みれば、そこまで荒唐無稽な話ではない。



手のひら返しでお祭り騒ぎするマスコミ…
そうして「サクセスストーリー」だけが刷り込まれる
 TVプロデューサーのデーブ・スペクター氏が自身のツイッターで、皮肉たっぷりにつぶやいて話題になった。
「東京五輪が始まるまでにタレントやコメンテーターがコメント予習
 イ)なんだかんだ言ってオリンピックっていいな!
 ロ)割り切ってスポーツとして見ましょう!
 ハ)やっぱり開催してよかった!」
*https://twitter.com/dave_spector/status/1404731084428898306より
 実はこれはかなり鋭い指摘だ。
 スポンサーなどで五輪に関わるマスコミには、「どうせやるなら盛り上がってくれないと困る」という大人の事情がある。開催すれば「安心安全」などどうでもよくて、手のひら返しでお祭り騒ぎを始めるだろう。テレビは朝から晩まで「日本のアスリートはスゴイ!」「感動をありがとう!」と世論を盛り上げていくのだ。
 このような形になると、開催に至るまでの組織委員会のゴタゴタや、国民に犠牲を強いていたことなどネガティブな話は徐々に忘れられていく。そうして10年、20年と時が経過すれば、「五輪はコロナ禍の日本人を勇気づけた」という日本人好みの「サクセスストーリー」だけが語り継がれていく。そして気がつけば、それが「正史」として国民の頭に刷り込まれて、ゆくゆくは冒頭のように子どもたちにまで「ナショナリズム丸出しの思想教育」を施してしまうおそれがある。
 そういう意味では、未来の日本人のためにも、現代を生きるわれわれは、これから起きるであろうマスコミの「いろいろあったけど、やっぱり五輪って最高ですね」という手のひら返しにかなり警戒しなければいけないのだ。
小学校低学年向けの指導案から見える東京五輪の「真実」
 五輪を盛り上げるだけで、そんなことにはならないでしょ、と思う人もいるかもしれない。しかし、現実問題として、すでにわれわれはオリンピックで、子どもたちに「ナショナリズム」を押し付けている。
 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が、全国の小中学校・高等学校向けに作成した「オリンピック教育」のための教材がある。その中で、小学校低学年向けの教師用指導案「東京1964大会のレガシー」という資料を見てみよう。
「東京1964大会が日本に残したものについて理解する」ことを狙いとしたこの授業では最後に10分間の「まとめ」が行われる。そこで、教師は「東京1964大会は日本の社会を元気にしたことを理解する」という方向性で持っていく。さらに、「指導上の留意点」には「東京2020大会も日本の社会を変えていくことを考えさせる」とある。

 世界では子どもたちに何かを教える時には、多面的に物事を考えていく力を育むことを意識するのが一般的だ。だから、はじめに結論ありきではなく、各自が自分の頭で考えるように導き、ディスカッションなども活発だ。しかし、この教育はそうではない。
「五輪は日本を元気にするものであって、これからの日本には絶対に必要なものだ」という結論へと子どもたちを導いていく。たかがスポーツ大会が、国家に必要不可欠なものだと、幼い頭にたたき込ませるのだ。
 これは「教育」ではなく「洗脳」である。
全ての元凶は1964年
世論誘導で「成功体験」に激変
 世界には五輪にそこまで興味のない国もたくさんある。放映されていても見ない人もたくさんいる。にもかかわらず、なぜ日本だけに「オリンピック教」とでもいうべき薄気味悪い思想が育まれたのかというと、1964年の東京五輪が「元凶」だ。
 ご存じの方も多いだろうが、この時の五輪も開催する前は批判的な声や反対する声もかなり多かった。当時、日本はまだ貧しくて、海外に見栄を張るようなことに金を費やすなら困っている人間に回すべきだという意見もあった。また、政府は「清潔なオリンピック」を掲げたが、五輪直前まで集団赤痢が相次いで発生しており、無理に背伸びして国際イベントなどを開いても、国民に得はないというムードもあったのだ。
 だが、そんな「逆風」が開催した途端にガラリと変わった。テレビ、新聞、ラジオが朝から晩まで日本人選手の活躍を流して「やっぱオリンピックっていいな!」と繰り返し連呼しているうちに、本当にそのようなムードになったのだ。

 それがうかがえる調査がある。1967年に日本放送協会放送世論調査所から刊行された「東京オリンピック」によれば、閉幕直後の64年11月に行った世論調査で、東京五輪が成功したか否かを質問したところ、東京ではなんと84.6%が「立派に行われた」と回答し、「大体は立派にいった」を合わせると、驚異の100%に達したのである。
 つまり、開催前はかなりシラけていた国民も、マスコミの「いろいろあったけど、やっぱり開催した方がよかったね」という世論誘導にまんまと乗っかってしまったというわけだ。
 このあまりにも極端すぎるサクセスストーリーによって、日本人の間に「オリンピックは常に正しい」という宗教のような思想が、「日本人の常識」としてピタッと定着してしまった。だから、開催前に指摘されていたネガティブな話はもちろん、開催後に噴出したさまざまな問題も、時が経てば歴史の闇に葬り去られた。
「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」という指摘、
日本はスルー
 闇に葬られている問題として代表的なものが、「過度な選手強化」と「五輪のナショナリズム」への指摘だ。
 1964年の東京五輪の後、世界ではじめて「国際スポーツ科学会議」が開催された。そこでは、世界中の研究者から「成功、成功、大成功」と日本人が浮かれていた東京五輪に対して次のような批判が相次いだ。
 「“すべての人のスポーツ”というオリンピック憲章の精神が忘れられた選手強化」、「大衆から離れてゆく日本のアマ・スポーツ」、「スポーツのナショナリズム化」(読売新聞1964年10月6日)
 しかし、日本社会的には「東京五輪は大成功」なので、臭いものには蓋をするということでこのようなネガティブな側面が真剣に議論されることなく、スルーされていった。
 68年に東京五輪で銅メダルを取ったマラソンの円谷幸吉が、メキシコ五輪の前にメダル獲得のプレッシャーに押し潰されて自ら命を絶ったことからもわかるように、日本のアマチュアスポーツの世界では「過度な選手強化」「スポーツのナショナリズム化」は現在まで放置され続けている。
 メダル獲得がすべてでアスリートは「国を背負う」ので、メダルを有力視されている人がそこに届かないと、なぜか涙ながらに「すみません」と国民に謝罪をしなくてはいけない、という北朝鮮のような気持ちの悪いムードもある。
 このような「五輪ファシズム」を加速させないためにも、マスコミの「五輪ってやっぱりサイコーですね」という世論誘導に乗せられないことが重要なのだ。
戦後日本の発展は五輪開催によるものではなかった
マスコミに勘違いさせられているだけ
「さっきから東京五輪を悪者にしているが、日本が東京五輪によって大きな発展を遂げたのは事実だろ、それを無視するのか」と食い下がる人もいるかもしれないが、残念ながらそれはまったく事実ではない。
「アジア初だった64年東京大会 高度成長の礎築く」(日本経済新聞2013年9月8日)のような報道をマスコミがいまだにするので勘違いをしている人も多いが、日本の戦後の高度成長は基本的に「人口増」が大きな要因である。

 今、中国のGDPが成長をしていることからもわかるように、ある程度の経済規模になった国のGDPは人口の大きさに比例する。
 実際、主要先進国のGDPランキングの並びは、人口3億2000万人のアメリカ、人口1億2000万人の日本、そして8300万人のドイツという具合に、きれいに人口と比例している。戦後、日本の人口は右肩上りで増え続けて1967年には1億人を突破し、同じタイミングでGDPもドイツを抜いて世界2位になった。この人口増の勢いの時に東京五輪はたまたま重なっただけだ。
 五輪が公共事業やインフラ整備の背中を押したのは事実だが、日本経済成長のエンジンだったわけではない。
 むしろ、多くの五輪開催国が「五輪不況」に陥ったように、日本でも五輪を境に成長にブレーキがかかる。五輪開催の翌年度、戦後初の赤字国債が発行され、ここを起点にして日本の債務残高は先進国の中で最も高い水準となっていくのだ。
「五輪で日本が元気になった」というのが幻想以外の何物でもないことは、当時の日本人の多くも感じていた。先ほどの「東京オリンピック」によれば、閉幕から2カ月後に行った調査で、「五輪は景気を維持するのに大変役立ったと思いますか」という質問に対して、「そうだ」と回答したのが31.7%なのに対して、「そうではない」は59.2%だった。
「日本が元気になる」などと大それたものではないということは、庶民はよくわかっていたのだ。
 このような歴史を振り返れば、マスコミの「東京五輪やっぱり最高!」という手のひら返しにかなり警戒すべきだということがわかっていただけだろう。冒頭のデーブ・スペクター氏は既に「五輪」が日本のイメージダウンになっていると指摘している。
<今も、海外メディアが五輪関連で報じるとしたらワクチンの遅れなどトラブルばかり。海外の人はみんなあきれている。1年延期になったために、しかも強引に開催することになったために、日本のイメージダウンになっている。あれ?日本はあんなに経済大国になって何でも一生懸命賢くやってきたのに、なんでワクチン接種が進まなくて病床が逼迫するのって。みんな驚いている。>(ニューズウィーク 6月9日)
こんな調子で世界がシラけている中で、日本人が「見たか、これが日本の底力だ!」とか「日本人を勇気づけてくれました」と五輪でお祭り騒ぎになったらどうか。イメージダウンというより、もはや完全に「恥」ではないか。
 果たして、日本人はマスコミによる「東京五輪やっぱり最高!」という世論誘導にのっかって、1964年の時と同じく、ここまで噴出した様々な問題を闇に葬ってしまうのか。それとも今回は、マスコミに踊らされることなく、「正気」を保つことができるのか。注目したい。
(ノンフィクションライター 窪田順生)


 日本の社会は権力者が利権と結びついて、大手を振って国民から搾取してきた歴史は江戸時代から変わらないのではと思っています。

 最近になって、インターネットが身近になり、大マスコミを利用した世論誘導や洗脳が判る暴露・リークが起こり、事なかれ主義の国民も少しは賢くなってきたと思います。

 日本で、大規模なデモや暴動が起こらないのは、義務教育の中で”同じように考え・同じように行動する”ことを徹底的に叩き込まれているからです。

 このコラムを読んで、学校で習う歴史の授業を「現代史の章まで行く前に学校にカリキュラム時間が無くなり、太平洋戦争から少し行ったところで終わるのは、教育委員会の陰謀」と思っています。

 義務教育は「政府の都合の良いように子供を洗脳するカリキュラムを入れる」ことが必須。

 日本社会には自由な発想で真剣に考えることはご法度なんですね。

 たしか、ここ数年”オリンピック賛同カリキュラム”が小中学校で年間35時間以上行われていたようです

 コロナで休みも多かったので毎週授業があった。

 オリンピック・パラリンピック教育の基本的考え方・進め方

https://www.o.p.edu.metro.tokyo.jp/opedu/static/page/open/effort-example-pdf/01_basic_idea.pdf

一部引用:

(1)オリンピック・パラリンピックを次代を担う子供たちの成長につなげるために

オリンピック・パラリンピック教育(以下、「本教育」という。)は、スポーツを通して、知・徳・体の調和の取れた人間を育成することを目指し、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催地において、子供たちが、スポーツにより心身の調和的発達を遂げ、進んで平和な社会の実現に貢献できるよう計画・実施するものを指します。 



:引用ここまで

 今回の東京五輪は、お金と利権まみれの汚い大人の世界を前面に出しているのがまるわかりな状態。

 子供には、「本当はね、オリンピックって一部の人のお金の為に開催されるんだよって言えません」・・・・


MMC太陽熱温水器

http://item.rakuten.co.jp/mmcsolar/c/0000000110/ 


 入水温度    20℃

 温水器      40℃ 温度差20℃


 太陽光発電

 発電量14.8KW ピーク4.95KW


6月18日(金)

曇時々雨

最高気温(℃)[前日差] 28℃[-2]最低気温(℃)[前日差] 19℃[-1]

時間 0-6 6-12 12-18 18-24

降水 20% 40% 60% 60%

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