2010年6月3日木曜日

生活を目的にした年金は維持不能

東洋経済の記事
「団塊の世代」の年金は維持できるか――「失われた20年」と年金の危機
企業年金など年金問題で団塊の世代に取材する機会があった。いまや、団塊の世代が、年金を受給する世代になろうとしている。
 団塊の世代が、大学を出て、就職した1970年代前半は好景気で、「青田買い」の状態だった。大学3年生の期末試験の成績が出る前に就職が決まった。つまり、大学1、2年生の成績と面接で、銀行、生損保、証券などの金融機関や有力メーカーに就職していった。
大学4年生になった4月には、大半の就職が決まっている状態だった。氷河期ではなく、就職は「超温暖期」だった。
 この団塊の世代が、前の世代の年金を支えるピラミッドの底辺を支えた。団塊の世代は、人口が多く、好景気で大企業に就職し、公的年金、企業年金に好循環をもたらした。
経済は右肩上がり、今日より明日、明日よりあさってはよくなるという確信を実感できた時代だった。
不動産バブル崩壊に大きくつまずいた団塊の世代
 団塊の世代は、1990年代前半の不動産バブル崩壊で大きくつまずいた。そしてその後の「失われた10年」「失われた20年」で大きなダメージを受けた。
 もちろん、この「失われた20年」は、団塊の世代のみならず、日本全体に大きな負の影響をもたらしている。相対的に団塊の世代は、“幸福な世代”といえるのだが、団塊の世代もバブル崩壊では相当な打撃を受けている。
 銀行、生損保、証券などの金融業は、倒産・廃業を含む巨大な業界再編成の大波にのみ込まれ、就業人口を大幅に減らした。
団塊の世代は、不動産バブルからバブル崩壊時に部課長の世代だったが、割増退職金などの提示でリストラにさらされることになった。50歳代前半~半ばで、企業を去った人は少なくない。
 金融機関の就業人口の大幅減は、団塊の世代がリストラのターゲットになったからだとみられる。バブル崩壊時のリストラは、割り増しが付いただけでも幸せともいえるのだが、団塊の世代にとっては大きなつまずきだったに違いない。
年金給付の維持は困難
 「日本の公的年金、企業年金がいまのままで続くことを願っているが、給付利率の現実を見ていると、それがかなり厳しいのはわかっている」
 団塊の世代のAさんは、大手信託銀行に勤めていた関係で年金についてはかなり詳しい。それだけに、現状の年金給付の維持が望ましいとしながら、いまの年金給付を維持することの困難さに深刻な懸念を感じている。
 運用利率が低すぎる。運用が、給付利率にまで届かない。
 運用下手、という問題もある。年金を運用する日本の金融機関の運用下手は、プロといえないひどさだが、長らく「護送船団方式」で競争なしの横並びでやってきた業界だから、もともとプロフェッショナルではありえない。
 「これでは若い世代に“補填”してもらうしかないが、それも現実には無理がありそうだ」
 Aさんはそう冷静に語っている。確かに、景気の長期低迷があり、若い世代は就職難などがあり、年金のピラミッドの底辺を支えるにはボリューム的にも厳しい。
右肩上がり経済どころか、経済の低迷打開がなされておらず、悪循環が進行するばかりだ。
 ある大手証券に勤務していた団塊の世代のBさんは、「国の危機管理能力がひどすぎる」と怒りを込めて話す。
 「団塊の世代が年金受給者になったときに、年金が構造的に危機に陥るのは以前からわかりきっていることなのに国は何もしてこなかった」
 地に水が行き渡れば、問題の多くが片付くことになる。
 国が、経済の右肩上がりモデルを構築することが求められるのだが、国は無能ぶりをさらしてきた。にっちもさっちもいかない。地に水が広がらない。
 団塊の世代の年金問題ひとつを取っても、経済の舵取りの重要性が人々の命運を大きく左右することがわかる。
 日本は、「失われた10年」に続いて、さらにその後10年の経済低迷に見舞われている。合計20年、日本経済の「失われた20年」を徹底して解明すべきである。そうした日本経済の体質を問うべきではないか。
 ――なぜ、20年も経済低迷となったのか。なぜ、経済低迷を打開できないのか。
 日本経済の長期低迷の原因を徹底して解明し糾問すれば「戦犯」も明らかになるだろうが、それを避けてはならない。カドが立とうが、日本経済のどこが根本的に問題なのかを明らかにして、根底から問題を解決すべきだろう。
 徹底解明がなく、またまた曖昧に進むなら、「失われた20年」は、間違いなく「失われた30年」になる。
 いまのままで流れれば、「失われた30年」コースになるのはほぼ確実ではないか。
(東洋経済HRオンライン編集部)

 前にも書きましたが、年金を当てにした老後は考えてはいません。
 しかし、国民年金は60歳まで払い込むのは義務となっています。
 年金問題はずーっと前から指摘されていて、最近「100年安心の年金改革」を実行していますが、この安心の前提条件が今後の出世率やGDPの上昇を楽観的な数字で粉飾しています。
 団塊の世代は、2012年頃以降には年金受給世代となり、2022年頃以降には後期高齢者となり、年代とともにその比率は高まっていく。
 ちょうどこれからの団塊の世代は、良くも悪くも日本を「支えてきた」世代から「支えられる」世代になります。
 その影響は団塊の世代の人数が多い分、後の世代にとって軽視できないほど大きいことになります。
 製造業はグローバル化により、中国やインドの労働者と賃金競争をしなくてはならない、貿易黒字は維持しているが日本からの輸出による利益はほとんど無くなってきています、残るは金融収支での黒字なのですが、これもほとんど米国債のような金利の低い物に投資されているので、今後大きく増える要素は無い。
 貿易収支が黒字のうちは、円安による物価の上昇は大きくならないとは思いますが、内需の拡大もお金を使う人(若い世代)に、分配していませんので、お金をため込んでいるご老人に使って貰いたいのですが、社会保障の先が見えないので、積極的に使おうと言う人も少ないですし、行動範囲の少なくなったご老人には買いたい物も無いようです。

 「日本経済の問題は、デフレと円高であるという人が多い。しかし、本当に恐ろしいのは、インフレと円安である。デフレと円高は、状況変化に対応してビジネスモデルを変更できない企業にとっては大問題だが、普通の消費者や年金生活者にとっては困ったことではない。もし給与や年金の名目額が変わらなければ、物価が下がれば実質的な所得は増えるのだから、望ましいことだ。年金や定期預金で退職後の生活を送る人の立場から見れば、デフレは明らかに望ましい。」

 しかし、内需を拡大する方策のないまま このまま、失われた**年を続けることが出来るうちは良いのですが、このまま経済が活性化しない場合、日本政府のデフォルトは10年以内に覚悟しておく必要はありそうで、その可能性も考えた資産形成、投資をやっていかないと野垂れ死にになってしまうことを考えておかねばなりません。
  政権交代をしても、一回リセットしなければこの国はやっぱり生まれ変われないということなんでしょう。
 国の借金が1000兆円にならんとし、毎年赤字国債を発行し続ける国家が続くならば、誰も働く必要は無い事になるから、破たんは時間の問題である事は明らかです。
 私の場合、10年以上先にしか貰えない年金は、貰えたらラッキー、貰えても一カ月分の年金でどのくらいの食糧が買えるのか?とっても不明と言うことで、うかうかしていられません。
 投資作業はボケるまで、生涯やっていかねばならない気がします。

63
10:30   4  オーストラリア  貿易収支
16:55   5  ドイツ  非製造業PMI(購買担当者指数)確報値 
17:00   5  ユーロ  ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者指数)確報値
17:30   5  英国  CIPS非製造業PMI(購買担当者指数)
18:00   4  ユーロ  ユーロ圏小売売上高(前年比)
18:00   4  ユーロ  ユーロ圏小売売上高(前月比)
21:15   5  米国  ADP雇用者数(前月比)
21:30   5/23 - 5/29  米国  新規失業保険申請件数
23:00   4  米国  製造業新規受注(前月比)
23:00   5  米国  ISM非製造業景気指数
未定   00:00   5  ドイツ  小売売上高(前月比)
未定   00:00   4  ドイツ  小売売上高(前年比)
FX投資
AUD/JPY買い76.110売り76.221
AUD/JPY買い76.533売り76.645
AUD/JPY買い76.136売り76.246
AUD/JPY買い75.600売り75.910
現時点で手持ちが多いので、売り買いしなくてもスワップ金利で生活はできますが、少しでも多くの稼ぎをと、強欲さは無くなりません・・・

2 件のコメント:

  1. 政治も官僚も当てにならないのだから、
    自分で何とかしないとね。。。
    僕もストックを取り崩す人口が増えれば、
    それを裏付けにしていた国債が売れなくなると考えています。
    投資は難しいですね、もっと勉強しないと。。。
    って、ニュース見てたら日立が受注予定(?)の高速鉄道がキャンセル!
    月曜日日立株売らないといけないかな。。。

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  2. hiwataさん、こんにちは
    日本で生活するなら、個人としては日本政府は当てにしない方が良さそうです。
    まあ、税金を払っていますのでその分ぐらいはサービスを期待しますが、自分の老後は自分でなんとかしたい物です。
    ただ、自分たちの行動を邪魔してほしくないですね、財産没収とか、まあ、没収しても死ぬまで生活させてくれるなら良いのですが、変革の時は大義名分のもとに、弱者は肥やしにされるのは歴史が物語っていますので、防衛手段は何重にもしておかないといけませんね。
    hwataさんの、ブログも毎日見ています。
    お仕事大変そうですが、仕事の内容は楽しそうに見るのは気のせい?ゴルフと写真も頑張ってください。

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