キャリア官僚が天下り代替措置もくろみ暗躍 窓際官僚を厚遇する退職管理基本方針閣議決定目指す
2010.6.21 00:36
政府が策定を進めてきた国家公務員の「退職管理基本方針」について、22日の閣議決定で調整が進められていることが20日、分かった。政府関係者が明らかにした。民主党政権による官僚の再就職斡旋(あつせん)禁止で天下り先が狭まるなかで、夏の各省幹部人事を控え、出世コースから脱落したキャリア官僚のために年収一千数百万の高給を保証する「専門スタッフ職」を早期に新設する狙いがある。ただ、各党が参院選モード一色になっている間隙(かんげき)を縫ったともいえ、菅直人内閣は早くも官僚ペースになっている。
基本方針をめぐっては、原口一博総務相が先の通常国会で「(幹部人事を一元管理する内閣人事局設置を柱とする)国家公務員法改正案の施行時期に合わせ閣議決定を行う」と答弁した。改正案は廃案となったため、基本方針も先送りされるとみられた。
しかし、各府省の人事担当者らが18日、基本方針を22日に閣議決定し、基本方針の具体的運用を議論する人事管理官会議を23日に開くことを確認した。
「専門スタッフ職」は重要政策の企画立案をサポートする、となっている。4月の原案では「高位の専門スタッフ職」としたが「高位」を外した。「高額給与のイメージを払拭(ふつしよく)するため」(内閣官房幹部)とされる。
もともと、出世コースを外れた課長以下の官僚のために同名の「専門スタッフ職」(年収約一千万円)があるが、新設の「専門スタッフ職」はその上位ポストに位置付けられ「給与を数百万円上乗せするので、高位に変わりはない」(国家公務員制度改革推進本部幹部)という。
「国家公務員の人件費2割削減」を公約に掲げる民主党政権で、高級官僚の“保護政策”とも言える方針案が判明した。政府がとりまとめた「退職管理基本方針」原案は、各省庁内の出世レースから脱落したキャリア官僚を「高位の専門スタッフ職」として保護し、高給も保証される内容だ。政府は地方組織を中心に新規採用の抑制方針を明らかにしたばかりだが、今回の方針が正式に決まれば、若手官僚は減り、高給取りのロートル官僚ばかり増える「本末転倒」の公務員制度改革となりかねない。
今回の方針案とりまとめの発端となったのは、「天下り斡旋(あっせん)禁止」という民主党政権の大方針だ。
これまで出世レースに敗れたキャリア官僚は、省内で肩たたきにあい、高額の退職金を懐にして所管する独立行政法人や政府系公益法人などに天下った。
だが、天下りが禁止されると幹部官僚が省庁内に大量に居残るのは自然の理。そこで「高位の専門スタッフ職」という新設ポストを設ける“内下り”ルートを開発したのだ。あるキャリア官僚は「背に腹は代えられない」と本音を漏らす。
問題は、新設ポストで省内に居残るキャリア職員の給与について「ポストに対応した水準を人事院に要請する」とされている点だ。人事院がこれに応じれば、国家公務員の人件費抑制の方針に逆行する。
若手を中心とするノンキャリア組では、民主党政権が「人件費2割削減」の公約の体裁を保つために「まずノンキャリの人件費が切り捨てられるのでは」との懸念も広がる。
そもそも、民主党政権の公務員改革に対するスタンスに疑問符がついたのは、今国会に提出されている国家公務員法改正案の内容が、あまりにも骨抜きだったからだ。
自公政権で検討された国家公務員の定数管理や給与水準の決定権を総務省や人事院から「内閣人事局」に移す方針は現政権の法案に盛り込まれず、「人件費抑制」を担保する内容にほど遠い。
政府は今後、仙谷由人国家戦略担当相と原口一博総務相を中心に最終的な退職管理基本方針をまとめるが、「既得権益の保護」で意思統一されたキャリア官僚にどう対峙(たいじ)するか手腕が試されている。
いやー、マスコミが煙幕張っていると思っていましたら、裏で官僚さん頑張っていますね。
また、知らない間に、税金の無駄使いを増やそうと画策中みたいです。
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