2014年4月4日金曜日

調査捕鯨裁判敗訴の理由

また鯨ネタです。
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叱責の首相・釈明する担当者…調査捕鯨、日本完敗の訳は
編集委員・小山田研慈、菊地直己 シドニー=郷富佐子2014年
4月2日20時51分
http://www.asahi.com/articles/ASG42630CG42UTFK01B.html
 南極海における日本の調査捕鯨の中止を命じた国際司法裁判所(ICJ)の判決。事前の予想に反して、日本の完敗だった。捕鯨に対して国際社会から厳しい批判を浴び続けながら、なぜ日本政府は読み誤ったのか。そこには日本外交の見通しの甘さがあった。
南極海の調査捕鯨、中止命令 捕獲数「多すぎる」
 2日、オランダ・ハーグからの帰国後、ただちに官邸に駆けつけた日本側代理人で外務省出身の鶴岡公二・内閣審議官を待っていたのは安倍晋三首相の叱責(しっせき)だった。
 「判決結果は非常に残念で深く失望している」。鶴岡氏の説明を聞いた首相はそう告げたという。
 首相執務室を出た鶴岡氏は険しい表情を崩さず、足早に官邸を去った。
 自民党でも、政府の対応に批判が集まった。同日、党本部で開かれた捕鯨議連の総会では、武部新議員が「相当自信があった印象だが、どういうことか」と追及。外務省の石井正文国際法局長は「本当にわからなかった。裁判はふたをあけてみないとわからない」と、釈明に追われた。
 日本政府は準備段階から「日本として最良のチーム」(外務省幹部)という万全の態勢で裁判に臨んできたはずだった。代表団には著名な国際法学者のほか英、仏などの法律顧問も参加した。同じ捕鯨国のノルウェーなどからの科学者も加えた「最強」の布陣。「最低でも数千万円単位の弁護報酬を支払い、世界的権威の弁護士を雇った。完敗はあり得ないとなめていた」(政府関係者)と打ち明ける。
 弁論内容にも強い自信を持っていた。昨年6月下旬から7月中旬にかけてハーグのICJで行われた日本側の口頭弁論でかなりの手応えを感じていたからだ。日本は徹底的に法律論にこだわった。国際捕鯨取締条約(ICRW)の第8条には、調査捕鯨を認めることが明記されている。「どうみても法的には問題ない」と自信を深めたが、それは見込み違いだった。
■捕獲頭数の多さに不安
 不安のタネはあった。合計で1千頭を超える捕獲枠だ。その多さに無理があることはわかっていた。それでも、ICRWには調査捕鯨の捕獲頭数の上限は書いていないから、大丈夫だろう、と楽観していた。
 実際に裁判官の多くがこの弱点を指摘した。第1期調査(1987年度~2004年度)から、第2期(05年度~)に切り替わる時に、捕獲枠が倍増した。しかし、実際の捕獲数が計画をはるかに下回っているのに枠がそのまま維持されていることや、調査捕鯨としながら実態は商業捕鯨であることなどが批判された。日本側は「反捕鯨団体などの妨害で捕獲できない分がある」と反論したものの、裁判所の理解は得られなかった。
 また、裁判官の構成への不安もあった。外務省幹部は判決前、「反捕鯨国出身者の政治的思惑が働く可能性もある」と漏らしていた。水産庁によると、裁判官16人のうち、欧米など反捕鯨国出身の裁判官が10人。判決ではこのうち9人を含む12人が日本の調査捕鯨中止に賛成した。
 しかし、判決が指摘したのは日本の「理屈」の破綻(はたん)だった。多様な生態系の観察を目的に3種類の鯨を捕獲するという日本の主張についても、判決は事実上1種類しか捕獲していないとし、こう断じた。「日本の理屈は崩れている」(編集委員・小山田研慈、菊地直己)
■欧米、日本に批判的
 「勝った」側のオーストラリアでは、「南極海に平和が訪れた」(公共放送ABCテレビ)や、「クジラが救われた」(シドニー・モーニング・ヘラルド紙)など、判決を大歓迎する報道ばかりだ。
 一方で、日本との経済連携協定(EPA)交渉が大詰めのため、「最悪のタイミング」(豪外務貿易省幹部)との懸念もある。訪日して7日に安倍晋三首相と会談する予定のアボット首相は1日、判決を歓迎しつつも「我々が絶対的に優先するのは日本とのEPAだ」と報道陣に述べた。
 豪州の国際法の専門家は判決前、「これまでの例から見て、ICJは白黒はっきりつけないのではないか」と予想していた。
 欧米諸国では、日本に批判的な記事が目立つ。
 フランスのフィガロ紙は1日付で「日本は(商業)捕鯨を継続できるよう調査捕鯨プログラムを『でっち上げた』」ために豪州から訴えられたと批判的に報じた。米ニューヨーク・タイムズ紙(電子版)は「判決は南半球のみが対象。クジラを守る戦いは終わっていない。日本は国際的な非難を待たず、すべての捕鯨をやめるべきだ」と同日付の社説で論じた。オランダのトラウ紙は同日付の記事で「中国との尖閣諸島の問題で日本は『国際法のもとで解決を』と強く主張している。ICJ判決を無視すれば、日本の外交的信頼に大きくマイナスになるだろう」とした。(シドニー=郷富佐子)


 調査捕鯨は判るが、「不安のタネはあった。合計で1千頭を超える捕獲枠だ」とか「多様な生態系の観察を目的に3種類の鯨を捕獲するという日本の主張についても、判決は事実上1種類しか捕獲していないとし」と言う内容を見る限り、捕鯨船団を運用すること、つまり何でもいいから、捕鯨と言う名目でお金を使うと言う日本のお役所感覚が世界に通用するはずもなく。
 本当に国民の為と思って仕事している関係者は居るのでしょうか?首相が大人げなく叱責した、担当官は怒っているでしょうね、俺の責任じゃない!って心の中で叫んでいたのではないでしょうか。
「最低でも数千万円単位の弁護報酬を支払い、世界的権威の弁護士を雇った。完敗はあり得ないとなめていた」って、裁判にも大量の税金を使っているのですよね。
 厚顔無比の日本政府も、さすがに国際司法裁判所の判決はおとなしく従うようですね、外圧には弱い政府です。
 日本の場合、調査捕鯨でもなければ、商業捕鯨でもないです。
 商業捕鯨なんて最初から大赤字で破綻している、国民としては、国の予算をぶんどるだけの調査捕鯨はもうやめにしたらと思う次第です。

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4月3日(木)
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