あなたの健保組合も解散する
健康保険を引きはがされる――。想像もしたくない事態だが、すでに現実となりつつある。4月1日に8健保組合が解散し、健保組合の冬の時代を証明した。『10年後、あなたは病気になると家を失う』(日本経済新聞出版社刊)の共著者の1人である寺尾正之さんは「企業が健保組合を解散した場合の衝撃は、リタイア前後の人たちにこそ重い」と見る。背筋が寒くなるような、健保を取り巻く現状を、寺尾さんに聞いた。
〈〈全国保険医団体連合会事務局次長の寺尾正之さん〉〉 大企業に勤めていて、組合健保の恩恵に預かっている人はほんの一握りしかいません(4月1日時点の健康保険組合数は1485組合)。しかも、どの健保も運営に苦しんでいて、経営者サイドは本音を言えば、「すぐにでもやめたい」と考えているはずです。実際この4月1日には8つもの健保組合が一気に解散しました。
約5万7000人の加入者がいた、物流大手の西濃運輸健保組合は2008年8月に解散しました。持ち帰りすしチェーンの京樽健保組合も同9月に解散しています。この規模の健保組合が解散するようになったのですから、「ウチは安心」と構えていられる健保は少ないでしょう。
しかも、今は景気が冷え込んで、企業業績も悪化しているので、企業側から健保解散を切り出しやすい状況になっています。これまではタイミングが見つからなかった企業もこの「100年に1度」の不景気をうまい口実に使おうと考える可能性があるのです。この先、何社かが解散を決めれば、我も我もと解散が続くかも知れません。
保険料収入の伸びが見込めない上、高齢者医療制度への拠出金負担が重く、財政が逼迫(ひっぱく)していることなどが、組合解散の主な理由となっています。つまり、こうした状況はどの組合にも共通しているので、みなさんが加入している健保組合がいつ解散してもおかしくないのです。
健保組合が解散すると、加入者の保険がどうなるかはあまり知られていないようです。一般的に解散後は、中小企業の従業員が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)に移行するケースが多くなっています。「協会けんぽ」とは聞き慣れない名前かも知れません。主に中小企業で働く人が加入する「政府管掌健康保険」が2008年10月から、協会けんぽに衣替えしました。
以下 続く。
と言うことで、企業年金だけでなく、企業の健康保険組合も存亡の危機にさらされています。
後期高齢者保健が始まった時に、マスコミは「かわいそうな老人からお金を取るのか!」と、報道して、政府に色々是正させたことがありました。
本当にかわいそうなのは、現役世代のサラリーマンです、高齢者が一番お金を持っているにもかかわらず、一番優遇されている日本は老人天国と言える状態、医療費は現役世代の5倍も使っているのですから。
全国健康保険協会が後期高齢者医療制度へ納めるべき「支援金」を、政府は健康保険組合などに肩代わりさせています。
七十五歳以上を対象にした後期制度では、医療費の四割を支援金として被用者保険(健保組合、共済組合、協会けんぽ)、国民健康保険(国保)が七十四歳までの加入者数に応じて負担する仕組みになっていて、協会けんぽでは現在の厳しい経済状況で被保険者の賃金減少に伴い保険料収入が減っていて、保険料率を現行の全国平均8・2%(労使折半)から来年度は9・9%に引き上げを迫られています。
月収二十八万円の場合、年六・四万円の増加になるそうです。
協会けんぽの救済のために厚生労働省が先に示したのは、来年度から被用者保険内での支援金の負担方法を、従来の加入者数割りから総収入割りへ変更する案があり、これが実行されると、支援金は協会けんぽが二千五百億円減り、健保組合、共済組合がそれぞれ千四百億円、一千億円増えることになります。
健保組合の中には既に保険財政が逼迫しているところが少なくなく、解散に拍車をかけることになるので、今後自分の会社の健康保険組合の財務状況を見ておかねばなりません。
ただ、サラリーマンの場合、個人ではどうしようもないので、見ているだけになりそうです。
このまま放置しておくと、の現役世代の将来の年金は生活できる金額をもらえず、健康保険は崩壊、退職金は無しと踏んだり蹴ったりの未来が待っているようです。
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10数年前は、黒字で保険を使わないと景品がもらえたのがなつかしく思われます。これからは絶対ないですね
返信削除TXIさん、こんにちは
返信削除健康保険組合はどこも完全に赤字ですね、企業は赤字分を補てんしないといけないので、早く解散させたいのですが、従業員の抵抗があってなかなか難しいようです。
業績悪化で企業自体が赤字になると、理由が明確なのでこれからも解散が増えると思います。