2009年12月24日木曜日

日本の企業年金も海外投資へ逃げる

ホンダ:年金運用で日本株枠撤廃-外国株と一体化、比率変動
 1221日(ブルームバーグ):国内2位の自動車メーカー、ホンダは企業年金基金の運用で、これまで一定の割合を日本株に振り分けていた枠をなくした。4月に退職給付制度を変更したのに伴い運用方針も見直した。今後は日本株と外国株を一本化して運用するため、日本株の比率は年ごとに変動することになる。
ホンダ企業年金基金は4月、従来の確定給付型から、年金換算率を市場金利と連動させ、あらかじめ設けた上限と下限の範囲内で毎年変動する仕組みに退職給付制度を変更した。これに伴って運用方針の見直しも行った。ホンダ広報担当の松浦康子氏は、従来は「日本株と外国株を、項目を分けて運用していたが、これをグローバル株式として一本化した」という。資産構成は明らかにしなかった。
松浦氏は見直しの背景について「各地域の市場の時価総額のウエートに沿った配分が一番効率的だと一般的に言われている」とした上で、新しい制度は運用を委託する「機関投資家の自由度を高める」と説明した。ただ、「日本株を減らすことが目的ではない」とし、「日本の株式市場が良くなれば、ウエートが上がる可能性もある。それは判断に任せる」と述べた。
TOPIX東証株価指数は年初来4.2%高にとどまっているが、MSCIアジア太平洋指数は32%の大幅高、S&P500種指数も22%の上昇となっている。
日本株を持つほど利回りの足を引っ張る
富国生命投資顧問の桜井祐記社長は「日本の経済成長率は限りなくゼロに近いことから、日本株の上昇する余地はあまり大きく見込めない」とした上で、「日本株を持てば持つほど、利回りの足を引っ張ることになる」と指摘した。
年金資産額が2008年度末時点で93000億円と国内最大の企業年金運用機関、企業年金連合会のウェブサイトによると、同年度末の資産構成は国内債券39.9%、外国株式21.5%、外国債券20.9%、国内株式17.5%となっている。国内株の比率が外国株を下回るのは現行の運用方針を採用した1996年度以降で初めて。
大和ファンド・コンサルティングの中村洋輝コンサルタントは「年金基金によっては配分時のそもそもの前提として国内株式を外国株式以上に保有する、いわゆるホームアセットバイアスの解消について議論を行い、その結果、国内株式の保有を縮小する方向で検討を進めている」と指摘、その背景として外国株式市場の代表的な指標であるMSCI指数で日本の株式の時価総額が10%程度まで縮小していることや、経済成長率が他国に比べ劣っていることなどを挙げている。
ホンダと同様にトヨタ自動車企業年金基金も、退職給付の一部に関して市場金利に応じて支給額を変動させる制度を05年から採用している。ただ、トヨタ広報担当の加賀悠太氏は、運用方針を「ここ数年変えていない」としている。
このニュースをもう少し説明すると、年金運用では、資産配分というのを決めて運用を行います。すなわち、株に何%、債券に何%といったぐあいです。一般的には、こうした資産配分を決める際の資産区分の分け方を、日本株、外国株、日本債券、外国債券、現金などとしてきました。加えて、これも通説として、年金の支払いは円建てだから、資産配分においても円資産を中心にすべきという考え方です。これによって、日本の年金の大半は、外国株よりも日本株に多く配分しています。これを「ホームカレンシーバイアス」とか「ホームカントリーバイアス」と言います。しかし、日本株が低迷していることや、そもそも、世界の株式時価総額において、日本は10%程度にもかかわらず、どうして、外国株よりも多く持つ必要があるのかという疑問が出ています。その結果として、ホンダのように、日本株という資産区分を廃止し、世界株(グローバル株)という新たな資産区分に変更し、日本株比率を10%程度に自然と抑制している年金が増えてきています。日本企業から日本株が見放されたという、非常に嘆かわしい状況になってしまったわけです。日本企業も、自国の年金ぐらいには、魅力的と思われる努力が必要です。ちなみに、米国で同じような質問をすると、まず、自国の株式に重点的に配分する従来の姿勢から変わっていないそうです。一つの理由として、自国の株式を売って、外国の株を買うと、加入者である従業員、すなわち、労働組合から文句が出るそうです。さすが、米国。
リーマンショック以降、一人負けしている日本の経済。
株式投資をしている人間からすると、日本の企業業績を見る限り投資をしたいと思えない収益、配当になっています。
企業年金は景気の良い時は年金支払い利率を上回る収益を上げ、企業に大きな収益をもたらしてきました。当時は運用能力など必要でなくただ株など買っていれば儲かったようですが、運用が難しい時代(能力が無いと儲からない)ですのでほとんどの日本の運用会社は赤字。
日本では外需に転換したままで将来のビジョンが無いのが問題です。
外需にたよっているにもかかわらず、円高などに大して何の対応も取らないため、国内への収益が落ち込み、その影響を一番先に受けるのが派遣労働者やアルバイトの給料と言う日本の労働実態にした責任はだれが取るのか。
最近は正社員の給料やボーナスも下げることが暗黙の了解になっていますので、ますます内需は落ち込み、国内では商売が成り立たなくなっています。
国内で売れる物は、海外の安い原材料と労働力を使ったユニクロやニトリの製品ばかり、これは日本の経団連が前政権にやらせた労働分配率を下げる政策によるしっぺ返しです。
格安輸入業者は円高で笑いが止まらないでしょう、彼らは日本の市場で利益をむさぼってだめになったら、他の国で同じ商売をすれば良いので、利益を吸い上げれるだけ上げたら、海外へ出ていくことになるでしょう、そう言えばユニクロはフランスへ進出中でした。
輸出企業は日本国内では商売にならないので、売れる国で作るつまり工場も海外へ逃げいていくでしょう。

今日のイベント
【シンガポール】
鉱工業生産(11月)14:00
【アメリカ】
耐久財受注(11月)22:30
新規失業保険申請件数(12月19日までの週)22:30
FX投資
AUD/JPY 5枚買い80.248売り 80.350
さすがクリスマスと年末、取引閑散として変動が少ない。
今日は金利5日分・・・大きい

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