2010年6月12日土曜日

投資の考え方

今回は、投資について書いてみます。
こうすれば儲かるって話ではありません。

 自分の大切な資産をどのようにして増やしていこうと考えるか? 世の中を見ていると、普通に就職した会社の給料が定年まで生き残り、給料が長期的に右上がりになるとは考えられない時代になりました。
公務員に人気が殺到していますが、10年後には夕張かギリシャか?という事態も考えられます。
国の年金も企業の年金も、どうも減らされそうな気配がありそうな・・・
そうだとしたら、自分で何とかお金を貯めていくしかないし、一生懸命に貯めたお金をどうにかうまく増やしたい。
そう考えるのは、ごく自然なことだと思います。
普通、人はそのために何かをしなければいけないとは思っているけど、どうすればいいか分からないから、とりあえず元本が保証されている定期預金に預けたままにしておこうという人も多い、周りのお年寄りは同じような考え方。
また自分で金融の勉強をして、あるいは証券会社や銀行に相談して、よく分からないながらも勧められた商品を買ってみて何とか増やそうと努力している人もいることでしょう。
さてそれで、思い通りに、お金はうまく増えているのでしょうか?
 ある金融に関する個人セミナーでお話を聞いたのですが、コンスタントに利益を出せている人が少ないと言っていました、FXなどでも手数料負けする人が多いそうです。
投資した結果を累計してお金を増やすことができたと答えた方は、残念ながら1割にも満たないそうです。
ほとんどの方が、お金を増やすどころか、減らしてしまったというのです。
 政府は、もう10年以上も前から「貯蓄から投資へ」と旗を振り続けていますが、旗を振れども振れども投資への流れは大きくならず、逆に投資をして苦い経験をしたお金がまた貯蓄に戻っているという話も聞いています。
日本人は資産運用が下手なのでしょうか? それとも、もともと貯蓄好きで投資は嫌いなのでしょうか?
 どうしてお金を増やそうとして投資をしているのに、増やすどころか、逆に損をしてしまうのか。
どのような仕組みができれば、普通の人が(金銭的に)幸せな老後を過ごすことができるのか。
 とはいっても、ネット溢れている「こうして私は1億円儲けた」といったお金儲けのHow Toを伝授するマネー本のような内容は無理です、出来るならとっくにリゾート地で遊んでいます。
 日本において資産を運用する際の根本的な問題を考えてみます。
それは「普通の人が自分で運用するのはたいへん難しい」「金融機関は助けてくれているようで、実は運用の最も難しい部分を『自己責任』という言葉で顧客に転嫁していることです」。
 本音を言えば、金融機関は「顧客が儲かろうが損しようが関係ない」手数料を貰えば儲かる仕組みとなっている。
 金融関係者の窓口担当者は投資と言う物を本当のところは分かっていないか、分かっていても部分的でしかないのではないでしょうか。
この根本的な課題は、個人の資産運用の方法から運用会社の金融商品の組成の仕方、その販売方法、そして背景にある国の金融システムに至るまで、総合的・体系的に把握しなければ理解できないはずです。
「普通の人が自分で運用するのはたいへん難しい」という理由。
たとえば株式に投資するファンドマネジャーは、日本のみならず世界中のあらゆる事象について考察して仮説を作り、その枠組みの中で、実際に会社を訪問して社長と面談し現場を見学するなど地道な調査を実践し、さらには世界中のあらゆる市場の動きを予測しながら、保有する会社(銘柄)を「ポートフォリオ」(保有している銘柄の集合体)として作り上げ、それによってお金がどのくらい増えたかという運用結果=「パフォーマンス」を出し続けることが求められる職業です。
ファンドマネージャーで常に勝続けている人は世界でも一握り、日本にはほとんど居ないでしょう、そのファンドマネージャーも数年で一生分の給料を稼いで引退する。
しかもこの10年ほどでグローバル化やIT(情報技術)化が加速してきたおかげで、ビジネスやヒト・モノの動きが加速し、それにも増して世界のお金が瞬時にうごめくようになったので、資産価格の動きが年々早く激しく複雑になって難しさの度合いが高まっています。基本的に市場の動きは心理戦のようなところがあって、よほどの情報と胆力、技術を積まなければ結果を出し続けることはできないと考えておいたほうがいいでしょう。
さらに今の世界経済情勢では、世界を取り巻く環境は異常な状態がしばらく続く可能性が高いと考えています。通常の経済状態であれば株式は長期的には右上がりですし、金利も数%は付いてくれるはずです。
もう見慣れてしまいましたが、日本のこの20年は鳴かず飛ばず。「失われた20年」と称されるように、株式は結果的に右下がりでしたし、金利は長期間にわたってゼロ金利という異常事態。
一方で海外はというと、確かに欧米では2000年くらいまでは20年間にわたって株式は上昇を続けてきましたし、2000年以降は新興国の株式が上がり始めるなど世界の株式市場は好調に見えます。
しかし、これからは一筋縄ではいかないと思います。また安全だと思われていた国の債券が財政破綻リスクにさらされて大きく下がったり、欧州通貨ユーロが一夜にして急落したりと、あらゆる金融資産が大きく変動しています。従って世界の歴史的な背景を理解したうえで、市場の環境という大きな流れをよく見極めてから資産を運用しなければ、お金を増やすことは難しいと思います。
 このような環境で、プロの資産運用と同じようなことを個人ができるでしょうか? まあ普通に考えれば無理ではないかと思いますし、大半の方もそう思うからこそ、手数料を払ってでもプロが運用する投資信託を購入するのでしょう。
ではプロが運用する投資信託を保有さえしていれば、うまくやってくれるので大丈夫だと思いたいところですが、本当にそれで大丈夫なのでしょうか?
 投資信託には様々な種類がありますが、多くの投資信託は決められた範囲の資産にしか投資をしていません。株式投資信託であれば、日本株ファンドは日本株式に、中国株ファンドは中国株式にしか投資をしていません。債券のファンドでもきめられた国に投資をしているわけで同様です。
そうなると、どの資産をいつ買うかを決めなければ、投資信託の選択ができないということになります。もちろん、様々な資産を組み合わせた投資信託も一部にはありますが、手数料が高い割にはリーマンショック時に大きく下がってしまいました。
市場環境が激変する中では、どの資産にいつ投資するのかという選択こそが、お金が増えるのかどうかの大きな部分であるにもかかわらず、それは自分で決めなければならないのです。
 債権や株式以外でもFXは通貨、現物でも金や石油など、なにに投資するかは自分で判断しないと行けないわけです。
 では投資信託を販売している銀行や証券会社などの金融機関では、資産選択について適切なアドバイスをしてくれないのでしょうか? 残念ながら金融機関では、資産運用の中でも最も難しい「どの資産にどのくらいのお金をいつ振り向けるのか」(専門用語ではアセットアロケーションと言います)については、「これだけ品揃えがあります。お決めになるのはあなたです。自己責任ですから」というスタンスを基本にしつつ、金融機関が買ってほしいと考えている“人気の”投資信託はしっかりと勧める傾向があるのです。
これでは、自分では判断が難しいから相談して購入しようと訪れた顧客にとっては、あまり意味がありません。それにもかかわらず、販売時の手数料(販売手数料)や毎年の手数料(信託報酬)の一部が販売している金融機関には入るのです。金融機関は商品を並べるだけでしっかりと安定的な手数料をもらいながら、顧客は「自己責任」の下で不確実性を購入する。これが先ほどの根本的な問題である「金融機関は助けてくれているようで、実は運用の最も難しい部分を『自己責任』という言葉で顧客に転嫁してしまっている」ということなのです。
 長々と書いてきて、じゃあ投資をするならなに?って言われても、自分で決めてとなってしまいますよね。
 私の投資スタンスを最後に書きます、人に勧めると言う意味でなくて、こう言うスタンスで投資をやっていますと言うことです。
 まず、日本の株式には投資しない、株式は長い目での投資と考えていて、デイトレやスイングでの株式投資はリスクが大きい割にリターンが少ない。
 そうなると、海外の株ですが、これから伸びる余地のある国の企業へ投資する。投資をする場合、日本の証券会社を通さずに直接その国の証券会社を使う、または、香港・シンガポールなどの会社を使って行う(手数料負けしない為)。
 私は中国の太陽電池、風力発電、石油会社、電機鉄道設備会社、インターネット会社の株を買っています。
 インドへの投資は個別株を個人では買えませんので、私は簡単なのでインドセンセンクスETFを買っています。個別株を買う方法としてはADR(米国預託証券)で買う方法があります、これはアメリカの株式を買わないといけません、香港で買えるのですがそこまでしていません。
 前にタイに住んでいたので、日本に帰るとき、タイの証券会社にお金を置いてきて、数銘柄のタイ株を持っています。
 タイ株は、何年か先に大きく育ったら、タイに遊びに行って豪遊したいですね(笑)。
 この株は、10年~20年のスタンスで持つ予定です。
 しかし、こう言う金融資産の持ち方をすると、配当金以外は現金収入がありません、生活するのは日本円の収入が必要ですね、それをどうするか?この点を外貨預金という形にしています。
 日本円の金利が低すぎるので、日本円では生活できません。
 外貨預金はFXを使うことです。
 理由は、売り買いの手数料がほとんどない、売り買いのスプレッド(差額)が非常に小さいという点です。
 たとえばオーストラリアドル1万ドルを預金しようとして、これを銀行でやりますと、安いところでも往復1円くらい手数料を取られますので、1万ドルで1万円の手数料です。
 FXで同じことをやるなら、レバレッジ1倍で1万ドルの場合リスクは外貨預金と同じで会社にもよりますが私の使っているFX会社で計算すると往復約500円ですので、もうここで9,500円の差が出ます。
 銀行での外貨預金の場合、これも手数料の塊で、オーストラリアドル1年定期で2%から2.5%ぐらい、普通口座ですと1%台ですので、完全にぼられていますし、金利は外貨で振り込まれますので、日本円にする手数料がまたかかる図式です。
 FXの場合、スワップ金利AUD 1万ドルで95円/1日・・・計算しますと年利4.5%ほどを日本円でもらえます。
 AUD 10万ドルをFXに置いておくと、毎日950円、1か月28,500円が振り込まれてくるわけで、レバレッジ1倍(リスクはオーストラリアがつぶれる時)で800万弱あればこれくらいのお小遣いが手に入るわけです。
 ただし、サラリーマンの場合年間20万円以上金利があると、確定申告しないと行けませんよ。
 こう言う持ち方の場合、日本政府が破綻した時は、大儲けになる場合もありますね、円暴落のリスク回避の一つです。

FXの売り買いはしなくても良いのですが、ついつい強欲が・・・
FX投資
AUD/JPY買い77.631売り77.735
AUD/JPY買い77.244売り77.286

3 件のコメント:

  1. こんにちは、投資は難しいですね。今日は木村剛さんのnews報道で平家物語の一説を思い出しました。やれやれ。久

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  2. 久さん、こんばんは
    投資は簡単に儲かりません、簡単ならだれでもやりますよね。
    まあ、生活が出来れば良いと思って頑張っています。
    極力、固定費を下げる努力はしています。
    平家物語ですか・・・印象が深いのは”壇ノ浦の合戦”でしょうか。
    日本は国民もろとも破滅に向かっているように思えます。

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  3. 信託投資については6/17までですが

    『投資信託は運用会社で選べ!
    ――主要運用会社31社の実績と評価2010年度版』
    (内藤 忍/小松原宰明著)

    発売に先行して全編無料で読めます。

    http://www.unitedbooks.co.jp/modules/content/index.php?content_id=38

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