2011年9月1日木曜日

原発事故報道は東京新聞がけっこうまとも

東京新聞の記事は、他の新聞会社に比べ、とってもまともなこと書いている。

「暫定」という詭弁 恒常化している汚染の現実
(東京新聞「こちら特報部」827)
 誰が次の首相になっても、変わらないのは福島原発事故によるこの国と世界に広がった放射能汚染の現実だ。事故後、土地、水、食物、汚泥、原発労働者の被ばく線量などに暫定基準が設けられた。だが、暫定とはいうが、それはいつまでなのか。むしろ、暫定という言葉によって、半ば恒常化する汚染や責任問題がぼかされてはいないか。「暫定」は詭弁(きべん)にすぎないという声も漏れ聞こえる。 (佐藤圭、鈴木泰彦)
 文部科学省は二十六日、福島県内の小中学校や幼稚園での屋外活動を制限する放射線量の基準値毎時三・八マイクロシーベルトを廃止、新たな目安を毎時一マイクロシーベルト未満とする方針を通知した。もし基準を超えても屋外活動を制限せず、除染で対応する。
 同省原子力災害対策支援本部は「基準値の三・八マイクロシーベルトは今月下旬までの暫定的な考え方だった。福島県内で基準値を超える学校や幼稚園はなくなっていた」と説明する。
 だが、廃止の背景に保護者らの猛烈な反発があったことは疑いない。基準値の三・八マイクロシーベルトは、年換算で二〇ミリシーベルトに相当する。国際放射線防護委員会(ICRP)が緊急時に浴びてもよいとしている年間放射線量二〇~一〇〇ミリシーベルトの下限だ。
 文科省が四月、この値を公表するや、保護者らは怒りを爆発させた。文科省は五月下旬、国内法で定められた一般人の年間被ばく線量限度「年一ミリシーベルト以下」を目指すことを示さざるを得なくなった。つまり、今回の三・八マイクロシーベルト基準値の廃止はその追認にすぎない。
 それでも、まれな「改善」ではある。世論の反発がなければ、ズルズルと「暫定」は続く。食品には事故直後の三月十七日、暫定規制値が初めて設けられた。それまでは「安全神話」の下、規制値自体がなかった。
 放射性セシウムについては、飲食物から摂取できる量が年間五ミリシーベルトに制限され「飲料水」「野菜類」「コメなどの穀類」など五グループに一ミリシーベルトずつ割り当てられた。外部被ばくも含めて年間二〇ミリシーベルトを超えないという前提からの値だが、あくまで緊急時の基準だ。
 一方、放射性物質が人体に与える影響を検討していた食品安全委員会は七月、生涯の累積線量を一〇〇ミリシーベルトに抑えるべきだとする答申案をまとめた。パブリックコメントを経て正式に答申を受ければ、厚生労働省は基準を再検討するとしているが「生涯一〇〇ミリシーベルト」という漠然とした値に基づく作業は難航必至だ。
 いつまで「暫定」が許されるのか。厚労省基準審査課は「一年の放射線量で暫定基準値がつくられていることを考慮すれば、暫定の期間は一年という考え方はできるが、はっきりとは言えない」と言葉を濁す。
 このほかにも放射性物質に汚染された汚泥についても従来、規制値がなかった。政府は六月、汚泥や焼却灰一キロ当たりの放射性セシウムが八〇〇〇ベクレル以下の場合、跡地を住宅に利用しなければ、埋め立て処分できるなどの方針を公表。放射性廃棄物全般の処理については二十六日に成立した特別措置法で整備されることになったが、具体的な基準作りはこれからだ。
 事故の収束作業に従事する労働者の被ばく線量も問題だ。事故の前まで緊急時の被ばく線量上限は一〇〇ミリシーベルトだったが、今回の事故に携わる労働者に限って二五〇ミリシーベルトに引き上げられ、そのまま放置されている。
 厚労省労働基準局安全衛生部は「引き下げの検討は常にしているが、やみくもに下げれば、国民が期待する原子炉の安定化作業に支障が出る」と話す。しかし、実際には人手不足から上限引き上げも一時は検討された。労働者の健康よりも、事故処理を優先する政府の姿勢に変化はない。
 避難の目安にもなっている年間二〇ミリシーベルトの積算線量について、矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授(放射線被害)は「ICRPの基準(年一ミリシーベルト)自体が内部被ばくを無視し、人の健康より原発を運営する立場を優先してつくられているのに、その二十倍も人を危険にさらす水準であって、到底許し難い数値だ」と憤る。
 「食品についても、放射性セシウムでコメなど一キロあたり五〇〇ベクレルと巨大な値が設定されており『それ以下ならどんどん食べなさい』と宣伝しているのも同然。国民に受忍を強いて、被ばくを回避させる責任を放棄しているといわざるをえない。主権在民をうたう国家として、やってはいけないことをやっている」
 政府は最近、福島第一原発から半径二十キロ圏の警戒区域のうち、放射線量が極めて高い土地については国有化を視野に入れた検討を始めた。
 同区域の住民は事故直後に避難を指示され、四月には「警戒区域」が設定された。重度の汚染から「再び戻ることは難しい」という専門家の指摘は当初からあったが、この半年弱、政府は批判を恐れたのか、口をつぐんだまま。その間、住民は生活再建の道を探ることもできず、無為に時間をすごすしかなかった。
 こうした例をみれば、政府のいう暫定基準は本来の意味ではなく、汚染の長期化に伴う政府や東電への反発を恐れ、糊塗(こと)するまやかしではないかと勘繰りたくなる。
 NPO法人「原子力資料情報室」理事の古川路明・名古屋大名誉教授(放射化学)は「発生から間がなく全体像がよくわからない段階なら、暫定という言葉は許されるし、無理もない。だが、これだけ時間がたっているのに『暫定』が続くのはよくない」と語る。
 「どこまでの被ばく線量なら健康に影響がないか、信頼できるデータはない。規制値を暫定ということにしておけば、その詳しい根拠を説明しなくても済む。これも一種のお役所仕事では」
 そのうえで、古川氏は「暫定」という言葉が伴う“副作用”をこう解説する。「『暫定』という言葉が残っている限り、国民は『けしからん』とも『仕方ない』とも、どちらも言えない中ぶらりんの状態でほっておかれることになってしまう。これからの基準をどうすべきか、真剣に議論すべき時期であり、まずこの単語を使うのをやめ、現実を直視しない限り、何も始まらない」
 福島第一原発から放出された放射性物質は日本各地、世界にまで拡散した。これからの時代、もはや低線量被ばくと付き合っていくしかない。京大原子炉実験所の小出裕章助教は七月、ラジオ番組で「三月十一日を境にして世界は変わってしまった」と発言した。古川氏も「暫定」の解釈にこう注意をうながした。
 「事故後、政府は『ただちに健康に影響を及ぼす数値ではない』などと繰り返し言っていた。実際はどうだったか。それを忘れてはならない」
 <デスクメモ> 福島第一原発周辺地の国有化構想が政権末期に浮上した。周辺地の重度汚染は事故直後から明白だったが、ほとぼりがやや冷め化作業に支障が出る」と話す。しかし、実際には人手不足から上限引き上げも一時は検討された。労働者の健康よりも、事故処理を優先する政府の姿勢に変化はない。
 避難の目安にもなっている年間二〇ミリシーベルトの積算線量について、矢ケ崎克馬・琉球大名誉教授(放射線被害)は「ICRPの基準(年一ミリシーベルト)自体が内部被ばくを無視し、人、政局のどさくさを見計らうように出してきた。放射性物質の除染があれこれ試されている。加えて、霞が関や永田町を覆っている「住民不在」体質も除染されねばならない。

 この調子では、福島県と周りの県の食品は買えない。
 魚も、太平洋側はあきらめるしかないのでしょうか・・・日本は産地偽装はいつものことなので、これから長い間放射線と付き合っていかないとけないようです。絶対はないので、なるべく避けるしかないです。
 しかし、暫定(原発事故緊急時の数値)はいつまでするつもりか?
 そう言えば、ガソリン暫定税率も37年ほど暫定のままですけど。

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831()
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