2017年9月20日水曜日

本当に日本はEV化が出遅れなのか?

日本の自動車メーカーはEV化「出遅れ組」と見なされている
http://diamond.jp/articles/-/142349
2017.9.19 真壁昭夫:法政大学大学院教授  ダイヤモンド・オンライン

 ここへ来て急速な勢いで、電気自動車(EV)に注目が集まっている。その背景には、欧州の主要国や中国が、一斉にガソリンエンジン車の禁止、電気自動車への転換を発表していることがある。
 その動きは、今後、さらに大きな“大波”になることが考えられる。自動車業界はすそ野の広い産業分野であり、これから主要国の関連分野が“大波”にいかに対応していくかが注目される。仮にこの“大波”に乗り遅れると、世界の自動車市場から取り残されることも懸念される。
 9月12日、“フランクフルトモーターショー2017”のプレスデーが始まった。ディーゼルエンジンのデータ不正で世界を震撼させたフォルクスワーゲンは、グループ全体でのEV戦略を示した。EV化の動きには、自動車業界の勢力図を根本から覆すほどのマグニチュードがある。まさに“大波”と呼ぶべき構造変化が進もうとしている。
 フランクフルトを訪れたある自動車メーカーの知人は、「今後の競争が電気自動車を軸に進むことがはっきりした」と危機感をあらわにしていた。EV化の波は先進国だけではなく新興国にも押し寄せている。そのスピードはかなり速い。競争に与えるインパクトも計り知れない。新興国メーカーが、先進国メーカーの座を奪う可能性を評価する投資家も増えている。
EV化という自動車業界を襲う
厳しい構造変化
 世界的な自動車のEV化の動きは、ディーゼルエンジン不信の震源地となった欧州からスタートした。
 もともと、欧州各国はガソリン車が排出する温室効果ガスの削減を狙い、ディーゼル車の普及に力を入れてきた。しかし、2015年に独フォルクスワーゲンが、ディーゼルエンジンの排ガスデータを不正に改ざんしていたことが発覚した。
 フォルクスワーゲン以外の不正疑惑も続き、世界中にディーゼルエンジン不信が広がった。この結果、一時はガソリン車よりもクリーンともてはやされたディーゼルエンジン離れが加速し、窒素酸化物(NOx)による健康被害への懸念も増幅された。
 この事態を受けた欧州各国の対応はかなり迅速だった。各国政府は、すぐに新しい技術を政府主導で導入しようと計画をまとめ始めた。昨年9月末、ドイツの連邦参議院は2030年までに内燃機関(ガソリン、ディーゼルを燃料とするエンジン)を搭載した新車の販売禁止を求める決議を採択した。本年7月には仏英の両政府が2040年までに内燃機関を搭載した新車の販売を禁止する方針を示した。
 このように、欧州では政府主導で自動車の脱化石燃料化の動きが加速している。とりあえずは各国が、ハイブリッド車など環境負担の少ない自動車にかかる税率を引き下げるなどして、環境に配慮した車種への乗り換えを促していくだろう。しかし、長い目で見た本命は電気自動車であることは間違いない。
 今後、電気自動車の充電スタンドなどインフラを整備することで、社会全体でEV化の動きがスピードアップしていくことが予想される。言い換えれば、政府がトップダウンで社会全体のイノベーションを進め、新しい需要を生み出そうとしている。こうした取り組みは、将来の潜在成長率にも影響するだろう。
 環境問題に頭を悩ます中国も、脱化石燃料を重視している。電気自動車の開発競争がし烈化することは間違いない。自動車業界全体が、EV化という大きな潮流という構造変化を迎えようとしている。
世界的にし烈化を極める
電気自動車の開発競争
 構造変化に対応するためには、いち早く新しい技術を開発し、その実用化を進めてシェアを獲得することが必須だ。その時、これまでの発想に固執してしまうと、初動動作が遅れてしまう。
 1990年代以降、わが国の電機メーカーは完成品を自社内で生産し、それを輸出して稼ぐビジネスモデルを刷新することができなかった。そうした教訓をもとに、今後の競争戦略を練るべきだ。一言でいえば、これまでの成功体験を捨て、虚心坦懐にゼロから新しい技術・モノを生み出す姿勢が求められる。
 特に、日本の自動車メーカーは、幸か不幸か、ハイブリッドという優秀な技術を持っている。わが国のハイブリッド技術は、ドイツのメーカーにとって大きな脅威だったはずだ。それがディーゼルエンジンのデータ不正問題の一因となった可能性もある。
 EV化の動きが進み、近い将来に脱内燃機関の社会が実現するかを考えると、それは口で言うほど容易なことではないだろう。まだ紆余曲折があるはずだ。ただ、フォルクスワーゲン問題を受けて、ドイツはディーゼルエンジンとの決別を余儀なくされた。ある意味、EV化の流れはドイツメーカーが過去の負の記憶を払しょくし、生まれ変わりを目指すための“渡りに船”かもしれない。
 また、ガソリン車の生産実績が乏しい新興国のメーカーにとっても、EV化の動きは世界の市場に打って出るチャンスになるかもしれない。これは、ベンチャー企業にも当てはまる。それは、自動車業界の勢力図を大きく塗り替えることになる可能性がある。
 特に、中国は国を挙げてEV分野の強化に力を入れている。中国政府はガソリン車などの販売停止に向けた工程表を作成し始め、今後は比亜迪(BYD)などを支援することが見込まれる。
 この動きが加速すると、中国企業の動向が世界の自動車業界での競争を左右する展開も考えられる。これは、中国との関係を強化してきたドイツのメーカーにとって追い風となるだろう。
 わが国の自動車メーカーがこうした状況に対応するためには、技術開発を急ぐだけでなく、中国の政府・メーカーとの関係を強化するなど、これまでの経営戦略の見直しと方針転換が必要だろう。
EVシフトを
織り込み始めた株式市場
 世界的な内燃機関からEVへのシフトの動きを見越して、株式市場でも変化が表れている。国内では、トヨタ自動車をはじめガソリン車を生産してきたメーカーの株価は、足元でやや不安定化している。一方、パナソニックやGSユアサなどバッテリー関連の製品・部材を供給する企業の株価は上昇基調にある。
 9月12日には、アップルが“iPhone X”などの新型スマートフォンを発表したが、株価は期待されたほど堅調ではなかった。一方、同日、プレスデーが開かれたフランクフルトモーターショーで今後の戦略を示した、フォルクスワーゲンをはじめダイムラー、ルノーなどの欧州自動車メーカーの株価は堅調だ。それに加え、中国ではBYDの株価が上昇している。米国のテスラの株価はハイテク株を凌駕する上昇率を遂げてきた。
 明らかに、自動車業界における構造変化をマーケットは認識し始めている。これまで世界のトップシェアを占めてきた企業が、中長期的にその座を維持し続けるとは限らない。競争が激化する中でシェアを維持するためには、他社に先駆けてEVの開発を進めるだけでなく、ネットワーク技術の普及を見越した自動運転技術の導入など、従来にはなかったコンセプトを実用化しなければならない。
 こうした取り組みを進めるためには、国=政府の関与も欠かせない。社会全体でEV化を進めるためのコンセプトをまとめ、規制の緩和、EV自動車の普及を加速させるためのインフラ投資を、欧州各国以上のスピードで進めなければならない。
 すでに、世界のファンドマネージャーらの間では、EV化競争の先頭を走る企業、出遅れた企業の選別が進んでいる。株価を見る限り、わが国の自動車メーカーは出遅れ組と見なされているようだ。従来の発想を続けている以上、テスラや新興国メーカーの台頭に対抗することは難しいかもしれない。
 かつてハイブリッドシステムで世界を席巻したように、EVでも世界の先頭を走る取り組みを進められるか否かが、中長期的な企業の競争力を左右するだろう。
(法政大学大学院教授 真壁昭夫)


 性懲りも無く、また電気自動車ネタです。
 本音は早くピュアEVに乗りたい!2台持ちにすればよいのですが、そんなもったいないこと出来ませんのでPHVでお茶を濁しています。
 欧州のインチキクリーンディーゼルがばれて、各都市の光化学スモッグの原因がディーゼル車だと世界的に認知されてしまいました。
 慌てた、似非環境先進国や大気汚染に悩む中国・インドがEVだ宣言をしています。

 なぜか、日本の有識者の多くやジャーナリストは、各国政府のEVシフト宣言を見て、日本は遅れていると騒いでいます。

 日本は日産リーフのおかげで日産のディーラーには必ず急速充電器があり、公共施設や高速道路にも設置されています。
 高速道路などは複数台必要との声もあり、2台くらいのサービスエリアも出来つつあります。
 個人的には、高速のサービスエリアには5台くらいあるなら、次の車はリーフの60KWhでも良いかなと思っているくらい。(まあ電池劣化の保証次第でもあります)
 ノルウェーが40%の電気自動車販売と言う快挙は、電気の96%が水力発電で1KWはたり6円くらいと安い(日本の1/4)、もともと気温が低いので各家庭の車庫や駐車場には台数分230Vのコンセントケーブルが必ずついて、充電が可能、補助金、税金も安い・・等々。
 元々コンセントがある理由は電熱器でエンジンのオイルやクーラントを温めておかないと壊れてしまうほど寒くなるのと、始動時に暖房が効くためだったと聞いています。
 日本も充電インフラは、無駄な予算ばかり使っている政府がもう少しこちらに予算を回せば良いと思います。
 あと、電気は電力会社しか売れないと言う法律を改正です。
 今の充電設備は使った分だけでなく、時間貸しになっているのを変更して急速充電器の自動車充電電力は1KW100円以上とかで売れないと商売になりません。
 こんな所は、政府が腰を上げれば良いです。

 自動車を作る技術的な面はどうでしょうか?
 日本は遅れていると言う有識者は車を売っていない、作っていないと言っています。
 欧州では、自動車メーカーの企業平均(その自動車メーカーで販売している全部のクルマの加重平均値)となるCO2排出量規制は、2020年には95g/kmとする規制が始まる。
 これの抜け道が、前にも書いたPHV化です。

2017年8月13日日曜日
環境先進国と言う見栄が環境悪化の原因
 http://toushiganbaru.blogspot.jp/2017/08/blog-post_13.html
 CO2排出量(g/Km)=(電気による走行距離 × 電気走行時のCO2排出量 + 25(Km) × ハイブリッド走行時のCO2排出量)÷ (電気による走行距離 + 25(Km))


 こんなインチキで車を作れば良いとなり、欧州の自動車メーカーは、普通のエンジンの車に電池とモーターを詰め込んだ車を大量に売り出しています。
 電池を使い切れば、同じ車体に普通のエンジンを積んだ車より燃費が悪い車を称賛する日本の自動車評論家もいますけど。
 電気自動車も売り出していますが、けっこう高いのと電池は韓国・中国からの輸入品で自社開発していない。
 競争力なんてありません。

 中国の高官は、電気自動車はタイや4個と電池にモーターがあれば簡単にできる、ベンチャーが一杯できて、自動車産業が塗り替わるなんて発言していました。
 国内でも、同じような意見を言う有識者が居ますが、自動車ってそんなに簡単に作れるでしょうか?
 日本の大衆車は1g1円と言われています。
 この車には、衝突安全性能やABS、車体安定機能、パワステ、パワーウインドウ、エアコン・・・数々の物が付いています。
 電気自動車でこの価格で作るのは難しいでしょうね、日産のリーフはずーっと赤字です。
 たぶん月に1万台売って2~3年で黒字かなと思います。
 テスラも1台1千万円で売って赤字です。
 
 たぶん中国やインドのベンチャーで、世界基準の安全性能や快適性を持たせてEVを作れる会社はほとんど無いと思います。
 まじに、車作って儲かる為には相当な生産技術が必要なんです。
 笑い話ですが、今の大衆用車で車につ付いている一番高い部品て何ですか?と聞いて「エンジン」と答えると間違い。
 一番高いのはカーナビ・・・お粗末様。

 エンジンなんてファクトリー価格は数万円です。
 電気自動車の電池は60KWhもあると150万円、儲かるわけありません。
 トヨタのような自動車会社がEV出さないのは、儲からないからです。
 ZEV規制のような政府の介入で、仕方なく作るだけ。
 電池もインバーターもモーターも、最高水準の物がとっくに市販されています。
 プリウスPHVの電池、モーター制御のソフトウエア―、高効率高出力モーター(MIRAIのモーターはリーフより出力が大きい)、協調回生ブレーキ、どれも最先端なので、儲からないから作らないだけだと思います。
 MIRAIなんて作るだけ赤字なので、台数を造らないのではと勘繰っています。
 民間会社である以上、商売は黒字化が至上。
 
 LPレコードがCDに駆逐され、ガラ携がスマホになったのを比喩して、車もEV化で化石燃料車も無くなると言われますが、レコードも携帯も性能格差がありすぎ、便利度が桁違いだったからです。
 EVも化石燃料車より大きく性能差が無ければ、普及しません。
 不便な物をわざわざお金を出して買わないです。

 全世界で見れば、道なき道を走る大型4輪駆動車、ピックアップが主流、電気自動車にはまだ荷が重い。
 先進国の政治的意図でEVは主流となりえますが、世界全体では簡単に置き換わらない、電池の進化がどれくらい進むかにもよりますけど、今の化学変化で電気を作る方式からブレークスルーすれば化石燃料車は駆逐されるでしょう。
 SFの世界ですが、質量電池(核融合とかで物質そのものを電気エネルギーにするとか)出てくれば別です。

 日本の自動車メーカーは、製品化・量産化の時期を見ながら開発中で、別に日本国内向けの設計なんてする必要が無いでしょう、各国の事情に合わせて作るだけ。

 だって、プリウスPHVは米国で買う場合、ノーマルプリウスより安いんだもの・・・個人的に怒ってます。

MMC太陽熱温水器
http://item.rakuten.co.jp/mmcsolar/c/0000000110/ 
 入水温度   15℃
 温水器     60℃ 温度差45℃

 太陽光発電
 発電量23.0KW ピーク3.93KW

9月19日(火)
晴後曇
最高気温(℃)[前日差] 29℃[-1]最低気温(℃)[前日差] 18℃[-4]
降水確率(%)   10    0      0    0
時間帯(時) 0-6 6-12 12-18 18-24
 
09/20
  日本 日銀・金融政策決定会合(1日目)
7:45 ニュージーランド 4-6月期四半期経常収支
8:50 日本 8月貿易統計(通関ベース)
15:00 ドイツ 8月生産者物価指数(PPI)(前月比)
17:00 南アフリカ 8月消費者物価指数(CPI)(前月比)
17:00 南アフリカ 8月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
20:00 米国 MBA住宅ローン申請指数(前週比)
23:00 米国 8月中古住宅販売件数(年率換算件数)
23:00 米国 8月中古住宅販売件数(前月比)
27:00 米国 米連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表 
27:30 米国 イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見

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