2016年11月20日日曜日

すでに確定している日銀の含み損10兆円

日銀の国債含み損、年内に10兆円超 検査院が懸念 
2016/11/13 1:31日本経済新聞 電子版
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO09484460S6A111C1NN1000/
 日銀が金融緩和のために大量に買っている国債の含み損が年内に10兆円を超す見通しになった。長期金利の低下(価格の上昇)を背景に、額面を大幅に上回る高値で国債を買っているためだ。政府機関の決算や会計を検査する会計検査院も「日銀は財務健全性の確保に努めることが重要」と懸念を示している。
 日銀は年80兆円程度の国債を買う。債券市場では国がマイナスの利回りで発行した国債を買った金融機関が、それよりも低い利回り(高い価格)で日銀に売る取引が広がる。国の利払い負担が減り、金融機関が値ざやを得る分だけ、日銀の損失が膨らむ構図だ。
 日銀による国債の購入額と額面の差が日銀の含み損になる。異次元緩和を導入直後の2013年4月末の損失額は約1兆4000億円だったが、今年10月末時点では約9兆3200億円に拡大。法政大学の小黒一正教授は「年末にも10兆円を超す」と試算する。
 日銀は損失を国債の満期までの期間で分割して計上する。国債からは利息収入が得られるため、実際の損失はその分だけ減るが、含み損は緩和が長引けば膨らむ。損失から利息収入を除いた収支は「18年度にも赤字になる可能性が高い」(日本経済研究センター)。
 会計検査院は日銀の財務状況を分析。4~6月に日銀が買った国債全体の利回りがマイナス水準になったと指摘した。日銀の財務内容が悪化すれば、国への納付金が減り国の財政に響く。将来的に財務健全化のために国の支援を受けることになれば、金融政策の独立性や通貨の信認が揺らぐ事態も招きかねない。


 重要なのは”「日銀は年80兆円程度の国債を買う。債券市場では国がマイナスの利回りで発行した国債を買った金融機関が、それよりも低い利回り(高い価格)で日銀に売る取引が広がる。国の利払い負担が減り、金融機関が値ざやを得る分だけ、日銀の損失が膨らむ構図だ。」”の部分です。
 日銀が直接国債を買うことが出来ないので、銀行が買ったマイナス金利の国債を、さらに低い金利(高いお金)で買うからです。
 債券と言うのは額面より高い金額で償還されることはありまんので、たとえるなら額面100万円の国債を銀行が101万円で買って、それを日銀が102万円で買うようなもの。
 普通は利子がプラスなので、額面100万円の国債を98面円とかで買うのが当たり前だったのですが、マイナス金利なんて前代未聞のことを行っているのでこんな取引が行われているのです。
 含み損なんて言っていますが、償還時まで日銀以外高い金額で買う人は居ませんので10兆円の含み損というよりも10兆円の確定損なのです。
 このまま続ければ、さらに確定損が膨らみますが、その損失はインフレと言う方法で国民に清算させる可能性が大きいと思います。

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