モラトリアムでの返済猶予期間(リスケジュール)は期限切れになる。
このことについて、マスコミは何も言っていないが、だんまりで大丈夫か?エコポイントやエコカー補助金が終わることより大問題なのですが。
金融庁の発表によると「平成21年12月に施工されたモラトリアム法(中小企業金融円滑化法)の実績は、平成22年3月末時点で35万4,463件となり、拒否率も1%台と低水準にとどまり、平成21年9月以降、倒産件数も減少傾向にあります」
政府は勝ち誇ったような発表をしていますが、これは問題の先送りで、通常半年から1年で最長3年を限度といわれる返済猶予期間が切れる時期に来ている、1年以上金融期間が伸ばす場合、金融機関の経営に問題が生じるので、今年一杯が猶予期間ではないかと思います。
一息ついているうちに景気が回復して業績が回復すれば良いのですが、問題を先送りにしたにすぎません。
平成22年4月には金融機関に続きリース業界へも返済猶予の努力義務を課し、中小企業にとって資金繰りに一息ついたようにも見えますが、これで問題が解決したわけでなく、借りた物は返さないと行けない、返せない場合は倒産しかない。
この返済猶予期間(リスケジュール)に事業を改善し今まで以上に収益を上げなければ、猶予期間終了後に返済が始まりますが、返せるだけの改善と景気が良くなっているか。
1.リスケジュールとは?
リスケジュール(リスケ)とは、返済が困難になった時に、金融機関に借入条件の変更(減額)をすることです。
リスケをすると、当然銀行の格付けは下がり、銀行のプロパー融資はもちろん、保証協会付きの融資など、その後の新規融資は困難になるであろうと言われています。
しかし、最近、銀行との交渉を繰り返す中で、リスケしても正常に返済ができるようになるまで回復できれば、新規融資も十分に得ることが出来ると感じています。
リスケではなく償却、つまりサービサーに債権を譲渡するようなケースになると以後の付き合いは難しいといえますが、リスケの場合は、立派な商行為の中の条件変更ですので、そこまでの重症は負いません。
2.リスケの種類
<借換>
複数の長期借入金を一本化し、返済額減少をねらうもの。
<返済額の繰延>
返済金額の一部または全部の削減、据置等。 借換よりもさらに難易度が高い。
メインバンクが返済猶予期間(リスケジュール)後に、もう一度免除してくれるわけもなく、貸してくれるところは、日本振興銀行ぐらいしかないが、これを潰してしまったので、年末から中小企業の倒産が怒涛のごとく始まると思います。
政府は大慌てで、お金(税金)をつぎ込むことになりそうです。なんでもかんでも先送りばっかりの日本政府ですが、先に送った後はだれが後始末をするのでしょうか。
ついでに、景気は回復しているかと、情報を帝国データバンクの景気動向調査8月の資料をみてみましたが、DIが下がって33.2とひどい有様。
50が景気が良いかどうかのポイントであるのに、ここ10年ほど超えたことがない、これでは中小企業の業績が回復しているとは思えません。
(調査対象2 万2,732 社、有効回答1 万1,578 社、回答率50.9%、調査開始2002 年5 月)
< 2010 年8 月の動向: 回復局面 >
2010 年8 月の景気動向指数(景気DI:0~100、50 が判断の分かれ目)は、前月比0.3 ポイント減の33.2 となり、8 カ月ぶりに悪化した。
業界別にみると、『製造』(35.9)や『卸売』(33.5)、『小売』(33.2)、『サービス』(33.6)などが8 カ月ぶりに悪化した。
特に、これまで国内景気の回復をけん引してきた『製造』では、電機や自動車関連業種が悪化に転じ、他の業種もそろって悪化したことから、『製造』は今回の景気回復局面で最大の悪化幅となった。
円高の進行や欧米の景気減速の影響に加えて、国内でも自律回復の動きは弱く、政策支援による底上げ効果も縮小している。国内景気は失速しており、回復局面には変調が表れ始めている。
< 今後の見通し : 踊り場局面 >
大手製造業を中心に2010 年度上半期の企業業績は回復傾向にある。政府による新たな経済対策や、円高進行に対する日銀の追加の金融緩和政策など、財政・金融政策による下支えにも期待がかかる。しかし、民主党代表選の党内対立の影響により、いまだ政策見通しは不透明で、金融政策にも手詰まり感が強い。
また、欧米の景気減速や中国の成長鈍化によって、今後の外需は楽観できない状況にある。国内では企業の投資姿勢が慎重で、雇用や所得の大幅な改善も期待できず、メーカーや小売・サービス業など幅広い業界における海外シフトの加速やデフレのさらなる長期化も懸念される。レアアースや鉄鉱石、穀物の高騰など世界的に激化している資源争奪戦は、為替動向とともに今後の企業収益の不安定要素となる可能性が高い。
景気予測DI は「1カ月後」(33.1、当月比0.1 ポイント減)、「3 カ月後」(33.0、同0.2 ポイント減)、「6 カ月後」(32.7、同0.5 ポイント減)となった。国内景気は踊り場局面となる可能性が高く、一段の下振れも懸念される。
13日(月)
ユーロ圏鉱工業生産(7月)
中国世界経済フォーラム(WEF)(天津)〜15日
IAEA理事会
14日(火)
民主党臨時党大会、菅首相と小沢幹事長が立候補
日・鉱工業生産(7月)
日・設備稼働率(7月)
NZ小売売上高(7月)
英消費者物価指数(8月)
米小売売上高(8月)
米企業在庫(7月)
独ZEW景況感指数(9月)
レーン欧州委員 講演(エコノミックコンファレンス)
15日(水)
西村日銀副総裁 講演
英雇用統計(8月)
ユーロ圏消費者物価指数(8月)
米MBA住宅ローン申請指数(10日までの週)
米輸入物価指数(8月)
米ニューヨーク連銀製造業景況指数(9月)
16日(木)
国際中央銀行ジャーナル(IJCB)秋季コンファランス(〜17日まで)
白川日銀総裁 講演
英小売売上高(8月)
NZ中銀政策金利発表
スイス中銀政策金利発表
インド中銀政策金利発表
ユーロ圏貿易収支(7月)
米新規失業保険申請件数(11日までの週)
米生産者物価指数(8月)
米フィラデルフィア連銀製造業景況指数(9月)
17日(金)
ユーロ圏経常収支(7月)
米消費者物価指数(8月)
米コンファレンスボード消費者信頼感指数(9月)
米ミシガン大学消費者信頼感指数(9月)速報値
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