2016年1月15日金曜日

突っ込みどころ満載の自動車評論家の記事、後ろには原発村?

トヨタの燃料電池車ミライ、実はエンジン車よりずっとCO2排出量が多い?
http://biz-journal.jp/2016/01/post_13287.html
2016.01.14 文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表 Business Journal
■燃料電池車は切り札か
 本田技研工業(ホンダ)が開発したスマート水素ステーションでは、1キログラムの水素を製造するのにおよそ50キロワット時の電力量を使う。電事連の発表では、2013年のCO2排出係数は0.570キログラム/キロワット時である。1キロワット時の電気を発電すると0.570キログラムの二酸化炭素(CO2)を排出するということだ。
 したがって、ホンダのスマート水素ステーションで1キログラムの水素を製造するには、50キロワット時×0.570キログラム/キロワット時で、28.5キログラムのCO2を排出することになる。
 ところでトヨタ自動車の燃料電池車であるMIRAI(ミライ)の実燃費がしだいに明らかになってきた。5.2キログラムの水素で走れる距離は450キロメートルほどである。その場合、1キロメートル走るのに5.2キログラム/450キロメートルで、0.0116キログラムの水素を使うことになる。この量の水素を製造すると、上記の計算から28.5×0.0116=0.331キログラム、すなわち331グラムのCO2を排出することになる。331グラム/キロメートルだ。ちなみにJC08(国土交通省が規定する燃費測定方法)のモード燃費は、5.2キログラムの水素で650キロメートル走れるとしている。この場合で、228グラム/キロメートルである。
 トヨタの新型プリウスのJC08燃費はリッター40キロメートルだ。この場合のCO2排出量は、58グラム/キロメートルとなる。ミライよりも新型プリウスのほうが、ずっとCO2排出量は少ない。バイオ燃料を使わずとも、エンジン車は元気なのだ。
■プラグイン・ハイブリッド車もある
 CO2排出量が少ないもうひとつの例が、プラグイン・ハイブリッド車である。EUではその量を下記のように計算する。
・エンジンだけで走った場合のCO2排出量(グラム)÷(25キロメートル+電池で走れる距離)÷25キロメートル
 たとえば、エンジンだけで1キロメートル走ったときに200グラムもの大量のCO2を排出する(200グラム/キロメートル)大型SUVで、それが電池だけで50キロメートルも走れるとすると、計算は200グラム÷{(25+50)÷25}=67グラム/キロメートルとなる。これはガソリンの場合、リッター29キロメートルという燃費だ。なんと超省燃費車になってしまうのである。
 この計算方法の是非は論議のあるところだが、プラグイン・ハイブリッド車にすることでエンジンはしばらく生き延びられるともいえる。
■高温ガス炉原発で燃料電池車が生き返る
 ところが2010年のCO2排出係数を調べると、0.350キログラム/キロワット時である。13年のたった61%だ。この違いは原発の稼働、非稼働である。11年から国内の原発がすべて止まっている。その電力不足を補ったのが火力発電であったため、13年には発電に伴うCO2排出量がぐっと増えたのである。
 ちなみに10年のCO2排出係数で計算すると、ミライのCO2排出量はJC08で140グラム/キロメートル、実燃費で202グラム/キロメートルとぐっと少なくなる。もっともEUの場合、20年のCO2排出量規制値は95グラム/キロメートルである。
 もし水の電気分解によって水素を製造するのであれば、このように発電のエネルギーによって燃料電池車のCO2排出量はがらりと変わるわけだ。
 燃料電池車のCO2排出量削減の切り札は、高温ガス炉と呼ばれる新型の原発だ。原子炉を水の代わりにヘリウムで冷却する。するとヘリウムの温度が900℃にもなる。この高温を使って、ヨウ素と硫黄を触媒として水蒸気から水素が製造できる。高温ガス炉型原発であれば、ほぼCO2排出量ゼロで水素が製造できるわけであり、燃料電池車にとっては福音である。
 一方、政府は核燃料サイクルを続けるためにも、新しい原発が必要であると考えている。高速増殖炉もんじゅの運転再開が絶望的な今日、高温ガス炉は是が非とも実現したいところだ。それが水素社会の実現に結びつくとすれば一石二鳥である。水素社会の実現もまた、高温ガス炉型原発なしにはあり得ないのだから。
 だが、高温ガス炉の実現には、まだ時間がかかる。もちろん多くの問題を解決しなければならないし、なかには究極的に解決が不可能な問題があるかもしれない。論議が必要である。
 私たちが自動車を未来にも使うとするならば、超えなければならないハードルは高い。
(文=舘内端/自動車評論家、日本EVクラブ代表)


 前にも突っ込んだことがありますが、この人の評論は面白い(笑)。
 まず、トヨタの燃料電池車ミライのCO2排出量を出すのに、電気分解の方式でその電気を電力会社から使った場合の、一番効率の悪い方法で比較しています。
 この人は日本EVクラブ代表なので、電気自動車の敵には厳しいお言葉が多いのですけど、間違った比較はどうかと思います。

HONDA スマート水素ステーション
http://www.honda.co.jp/shs/feature.html
一部引用
ごみ焼却の余熱を利用した廃棄物発電の電力により水素を製造しています。
今後さらに地域の特性を活かした様々なエネルギーの地産地消を実現する水素ステーションとして、利用の拡大が期待されます
引用ここまで

 と、HONDAは水素の生産を電気分解で行いますが、ごみ焼却の余熱を利用した廃棄物発電の電力により製造しています。
 言い換えれば、余熱なので「捨てられるエネルギーを使って水素を生産している」訳で、製造段階ではCO2ゼロです。
 圧縮も同じ電力を使うなら、運ぶためのエネルギーしか使わないわけです。
 電力会社の遠くで発電して送電するロスよりはるかに少ないと考えるべきで、電気自動車の方がCO2を出すと言えます。

 水素の生産方法ですが、「国内では石油や天然ガスから改質して作っていますので、水を電気分解で作るよりはるかにエネルギーを使わずに生産されている」にはスルーです。
 ガス会社の売っている”エネファーム”は天然ガスから改質して水素を作り発電しています。

 プラグインハイブリッドの計算も変で、電気を使いきって走った距離に1Lのガソリンで走れる距離までを足して試算していますので、そのまま500Km走ったらどうなるかを省いています。

 水素の未来と言うか、水素の将来性はもっと別な所にあります。
 水素は余剰電力を保存するのに最適な物で、電気分解による生産は効率が悪いのですが、大量に貯められない電気を貯める方法に使えます。
 メガソーラーをもっと大量に作り、昼間の余剰電力を水素に変換してストックする。
 水素を使って、太陽光で発電できない時間帯に供給。
 そして、余剰電力で燃料電池車を走らせる、一回の充填で500Km以上走れるのは魅力です。
 電気自動車に充電した方が効率が良いのですが、電気自動車は太陽光パネルに繋ぎっぱなしにしておけないですね、大量の電池を積んでも電気自動車は500Km走らせるだけの電気を充電するのに急速充電で1時間以上必要、車は走ってなんぼですから。

 で、最後に「高温ガス炉原発で燃料電池車が生き返る」なんて誘導しているのは、原発村の住人かと思ってしまうのは、私だけ?

MC太陽熱温水器
http://item.rakuten.co.jp/mmcsolar/c/0000000110/ 
 入水温度   10℃
 温水器     30℃ 温度差20℃

 太陽光発電
 発電量13.6KW ピーク3.74KW

1月14日(木)
晴後曇
最高気温(℃)[前日差] 11℃[+1]最低気温(℃)[前日差] 3℃[+1]
降水確率(%)   0    0       0    0
時間帯(時) 0-6 6-12 12-18 18-24

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