2009年10月14日水曜日

インフレを嫌う日銀のデフレ政策

 お金の価値を計るには物価をみることと外貨との交換レートを見ればよいです。
 現在の日本では物価が下がり続け、円高も進む日本円はとても強い。デフレ状態の社会、お金を持ったご老人には居心地がよい、これで私たち日本人の暮らしはよくなっているのでしょうか。
 リストラ中の私などは、生活面から見ればデフレは良い・・・しかし、就職活動にはマイナス・・・
 おカネ持ちはますます豊かになり、持たざる者は一層困窮することになり、格差が拡大する。カネの価値が上がると国民の大多数が不幸になり、社会は閉塞する。 しかし、お金を持った人たち(お金をため込んだご老人)のような有権者の多数が現状を容認するのだから、政治家は自公政権時代から一貫してデフレに鈍感であり続け、若者から搾取し続けてきました。ところが、あらゆる消費者の行動が合成される一国の経済全体で見ますと、デフレは災厄をもたらします。
 物が安いということは消費が不振なのだから、企業はますます価格を下げ、雇用を減らし、賃金をカットする。設備投資は先送りするので、雇用の場も生まれてきません。
 消費需要はますます減退する。物価はさらに下がるデフレスパイラルになる。
 1930年代の「大恐慌」からの脱出策を論じたJ・M・ケインズは「デフレは労働と企業の双方にとって貧困化を意味する」と言っています。
 日本ではこのデフレがもう10年以上も続いているのにまともな対策が行われてきていません、政治家も日銀役員も金持ち老人の仲間ですし、今の政権支持者も物価が安いデフレは良いと思っている人が大半なので、国民からデフレ対策をしろと言う、世論も沸き起こってきません。
 昨年9月の「リーマン・ショック」以降、FRBはドルの発行量を一挙に2倍以上も増やし、米国経済が「金欠病」に陥るのを防ごうとしてきました。
 平時なら悪性インフレを招く禁じ手なのですが、アメリカ初の金融危機では日本円換算で1000兆円相当の金額が金融市場から消えたのだから、金融の最後のよりどころであるFRBがドル札を新規に大量発行するのは仕方がないでしょう、日本のバブル崩壊時もお金をばらまきました。

 現在の日銀はと言うと、今までの政策に少し足した程度、資金繰りに困った企業からCP(コマーシャル・ペーパー)と呼ばれる債務証書を買い付けてきました・・・ところが日銀資金の発行量は今年9月末で前年比5%強しか増やしていない。余っている設備や労働を動かすためのカネが回らない。カネの流れを仲介する銀行など金融機関は民間に貸そうとしないので、不況がひどくなる。その金融機関に日銀が資金を流し込めば、金融機関は有り余るカネを放出せざるをえなくなる。これが量的緩和と呼ばれる政策なのですが、日銀はかたくなにお金を出さないようにしている。
 日銀の白川方明総裁は物価下落が激しくなっているのに、デフレではないと言い続ける。揚げ句の果てにCP買い上げの打ち切りなど「出口戦略」までも口にする。雇用に配慮するのも中央銀行の使命という国際常識が欠如しているのです。
 このままでは、日本は世界の経済から置いていかれるのは目に見えています。
 民主党の政策ばかりに目がいっていますが、日銀の政策も早く変革させないと日本は本当に沈没します。
今日は、日銀 白川総裁の会見が15:30分からありますが、大した話をしないでしょう、まったく動かない日銀です。

本日のイベント
【日本】
日銀政策金利 時刻未定
国内企業物価(9月)8:50
白川日銀総裁 会見15:30 
【オーストラリア】
Westpac消費者信頼感指数(10月)8:30
【イギリス】
失業率(9月)17:30
【ユーロ圏】
ユーロ圏鉱工業生産指数(8月)18:00
【アメリカ】
MBA住宅ローン申請指数(10月9日までの週)20:00
小売売上高(9月)21:30
輸入物価指数(9月)21:30
企業在庫(8月)23:00
ビニ・スマギECB専務理事 講演22:15 

FX投資
買い
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売り
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