2009年10月31日土曜日

勤労世帯に広がる貧困の実態 その3

「貧困」問題への対応が遅れた日本

 労働者の賃金が減っていく変化に対して労働経済白書は労働分配率が低くなってきたことは指摘していますが、生活保障のない失業者が200数十万人にものぼるといったことには一切触れていない。それは、雇用保険制度の根幹にかかわる問題であり、今さら制度が誤っていたとは言いにくいのだろう。経済成長が続いているころは、次々と失業者が生まれてもみな再就職を果たしてきた。だから、ワーキングプアの比率は90年代半ば以前は1割いるかいないかだった。だが、ヨーロッパ諸国だったら、貧困率が1割なら、政府が何らかの施策を取っている。日本の場合には貧困率の計算すらしておらず、数字を公表したのは今度の民主党政権がはじめてだ。

 1965年までは公的な貧困統計が出ていたが、高度経済成長が一時的な現象ではなく、長期に続きそうだという自信が出てきたため、その延長線上で生活保護を充実しなくてもいいというムードが出てきたのだろう。また、60年代の貧困問題は零細企業でフルタイムで働いていないとか、農村と都会をいったりきたりしている不完全就業者を対象としていた。そうした失業者は、膨れ上がってきた経済に吸収されて、やがて消えるだろうと考えられた。

 こうした制度の不備を転換する可能性があったのは70年代前半だ。この時期、相変わらず勤労世帯向けの保障は発達しなかったが、保育園、障害者福祉、高齢者医療などの対応については丁寧になっていった。70年代は福祉が高度化した時代だが、勤労世帯の生活最低保障をするという考え方は定着しなかった。この時期、いったんマイナス成長になったものの、すぐにプラス成長に転じたことで、本格的に高い失業率を受け止めて社会全体を変えなければならないというふうには日本はならなかった。さらに80年代には日本だけが独り勝ちという状況になって、制度転換のチャンスを失った。

 民主党政権になって、はじめて本格的な最低生活保障を全ての人に対して制度的に考えないと、とんでもないことになるというムードが出てきた。ただし、民主党も「福祉国家型の国家をつくる」というところまで方針が定まっていない。断片的なマニフェストの公約が並んでいるが、それらを福祉国家型の最低生活保障とした統一した政策思想で裏打ちするというふうにはなっていない。だが、民主党が打ち負かした自公政権でさえ、昨年の秋以降は大きな政府型に徐々に転換してきた。どのような政権になっても、大きな政府をやめて小さな政府へという路線は今さら取ることはできないだろう。

 今まで、長期自公民政権の中で隠されてきた事実が出てきています。

 公明党は庶民の味方だったはずでしたが、自民党と連立を組んでいるうちに経営者よりの政策に浸かってしまい、団体の婦人部から総すかんを食って敗退。

経済が右肩上がりから下がる時期に来て、これからの政権はものすごく難しい運営を余儀なくされます。

 国民の生活がどのくらい貧困になっているかは、私が暮らしている環境では分かりにくい。

 スーパーマーケットで色々な人を見ますが、最近出来た大型モールのスーパーは若い家族が多く、着ている服装もまあまあ、おしゃれなお店が並ぶモールではちょっとよそ行き服。昔からある古いディスカウントスーパーへ行くと、お年寄りばかりで、服装はと言うと、部屋着のような服が多い、おしゃれとは言えませんが貧困は見られません。

 日本人は世間体を気にする国民なので、外ではそう言う姿を見せないのでしょうか。

 近所の古いアパートに生活保護のおじさんが住んでいます。

 週3回のデイケアで掃除、洗濯。毎日食事は配達、週3回以上ケアセンターに送迎で行っています。

 全自動洗濯機、家の外に付いているアンテナから地上波デジタル、BSデジタルのテレビはありそう。

 小綺麗な恰好して、散歩しているおじさんを見ると、今の日本は生活保護をうまく受ければ、平穏な生活は出来そうに思えます。

 勤労者の方が、貧乏ってどんなんでしょう?

 生活する上でなにが必要か、ただ生きていくだけならそんなにお金は必要がありません。若い勤労者の給料が少なくても親と住んでいる場合貧困生活になりえない、ましてパラサイトシングルや引きこもりは労働人口にもカウントされず失業率にも出てきません、この人たちは統計上貧困率に出てこない。統計上の数字だけでは本当の問題は分からないのです。

 今の日本の問題は国が栄えるための生活、国民は結婚して子供を産んで、育て、教育してと普通の生活(?)に貧困が出てきているのです。

 老人福祉はほどほどに、国を富ませる政策となると社会主義になってしまうのでしょうか・・・

FX投資

円高が大きく進み、また35万㌦AUの塩漬け。

売りは15万ドルだったのですが、利益少々。

2 件のコメント:

  1. たしかに、パラサイトシングルは貧困率にはあらわれません。
    こうした独身者の非正規雇用は、以前からも多かったのですが、いまや、非正規雇用が親と同居の独身者ばかりでなく、独立した独身者や、家族を支える大黒柱にまで広がってきた。
    それが貧困率を上げる大きな原因になっています。
    パラサイトシングルの親が亡くなるころには、もっと高まる可能性がありますね。

    返信削除
  2. コメントありがとうございます。
    まだ貧困と言われながらも、食べていける状態が続いています。
    収入が減っても、食品の物価が下がっているうちは大きな問題になりませんが、日本政府の信用が国際的に落ちて円の価値が落ちていくと、餓死者が出るようになり、いくらおとなしい国民でも腹が減れば、犯罪の多発、その先は暴動になります。
    ますます、格差が大きくなりそうな世の中、政治は社会主義に走る可能性も出てきています。
    国民にとってはどの方向が良いか?労働者・公務員・経営者・資産家・政治家・・・立場によって欲する未来が違うので先が読めません。

    返信削除