2010年7月19日月曜日

本のスキャン(本のデータ化)について

新聞で、話題になったいましたので、調べてみました。

iPad人気で新ビジネス 本のスキャン代行、違法?
2010717日 朝刊
本を裁断してスキャナーで読み取り、電子文書化すると、iPadなどの端末で紙の本のようにページを指でめくりながら読むことができる=中里宏撮影
 五月に国内販売され人気となっている米アップル社の新型マルチメディア端末「iPad(アイパッド)」の利用者が、蔵書をイメージスキャナーで読み込みiPadで持ち歩く動きが広がっている。これに伴い、一般利用者から手数料を取って本の電子文書化を行うスキャン代行業が盛況だが、日本書籍出版協会(書協)=理事長・相賀昌宏小学館社長=は「著作権法違反の懸念がある」として業者への法的対応を検討している。 (社会部・中里宏)
 iPadは出版社が販売する電子書籍のほか、出版物をスキャナーで読み込んで電子文書に変換すれば、画面で本のようにページをめくりながら読むことができる。大手スキャナーメーカーは「個人向けスキャナーの五、六月の販売台数は一・八倍の伸び。iPad効果だ」と話す。
 一般向けのスキャン代行業者はiPadの国内発売前から現れた。代表的な仕組みは、ホームページで登録した会員が業者に本を発送し一冊百円前後の料金を振り込み、業者がその本を裁断しスキャナーで読み取り電子文書化。会員は電子文書を業者のサーバーからダウンロードしたり、DVD-R(別料金)で受け取る。
 各業者とも「本棚がいっぱいで本を処分したいが、内容は手元に残したい」という利用者からの注文が殺到し、納品まで二~三カ月待ちという活況だ。複数の業者はホームページで、著作権に関して「依頼された本は利用者が著作権保有者から許可を得たと判断する」などと注意事項を明記している。
 一方、大手出版社など約四百六十社が加盟する書協は「利用者が著作権者の許可を取ったか業者は確認していない。協会として黙認するつもりはない」という。著作権法に詳しい北村行夫弁護士は「著作権法で認められている私的複製は自分でやるのが原則。家族でもない第三者が料金を取って代行するのは、違法行為」と話す。
 代行業者の男性は「個人が許されていることを代行することは認められてもいいのではないか。だめだとすれば、法律が世の中の流れに合っていない」と反論している。

スキャンサービスのホームページには、一番最初に以下の注意書きがあります。
 書籍は、音楽CDやビデオ、DVDと同様著作権(著作権法)で保護されています。BOOKSCANでは、下記の点をお客様にご理解頂いております。

1.BOOKSCANPDF書籍変換システムへご依頼頂いたものは、著作権法に基づき、著作権保有者の許可があるものとして判断させて頂きます。許可がないものは、ご遠慮頂くか、ご自身でスキャンしてください。
2.書籍から変換されたPDFデータは、私的利用の範囲内でのみご利用ください。
3.書籍から変換されたPDFデータは、個人でスキャンした場合と同様に、ネット上で公開したり、誰でも閲覧できる状態にしてはいけません。

どこまでが違法か?と調べてみた。
 著作権は、厳密には、複数の「支分権」の集合体と捉える必要があります。著作権の支分権としては、複製権、上演権及び演奏権、上映権、頒布権、貸与権、翻訳権、譲渡権、公衆送信権などがあります。
スキャナに関係するのは複製権になります。
 個人で購入した本を個人で複製し、複製したデータを個人が利用する分には、現行の著作権法下では、『私的複製』とみなされるので、違法ではありません。(私的使用のための複製行為には著作権の効力が及ばない(著作権法30条1項))昔、音楽CDをテープに録音していたころからコンテンツの購入者に認められた権利です。
 私的複製の範囲をどこまで認めるか、という点については、昔から議論されています。インターネットの無い時代では、録音したテープを学校の友達に貸す程度までは、私的複製の範囲とされていたようです。
 最近では、「家族」までが私的複製の範囲とされているようです。私的複製は、法令で許容されていますが、私的複製の範囲は、厳密に法令で決められている訳ではない点が、解釈を難しくしています。
私的複製にも2つ制限が掛かっています。
①複製する機械は、公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器であってはならない。
 簡単にいえば、コンビニのコピー機で本をコピーしてはいけません、ということです。
②技術的保護手段の回避は違法。
 コピーガードが掛かった映画のDVDなどをリッピングすることも違法とされています。
 当たり前ですが、スキャンしたファイルをインターネットサイトにアップロードしたり、P2Pソフト上に流通させることは、「公衆送信権」の侵害に当たるため、完全に違法です。
と言うことで、本の複製サービス、スキャンサービスは違法になります。
 自分が買った本を、他者に複製させることは、「複製権」の侵害に当たるため、違法とされています。たとえ私的に利用することが目的であっても、業務として行なうことは指摘複製の範囲を超えるとされているため違法と解釈されそうです。
で、自分でやるにはどうしたらよいか?磯崎哲也事務所さんのブログに、詳しく書いたあったので、興味ある方は、こちらを読んでみてください。
isologue - by 磯崎哲也事務所: ビジネスマンのための書籍スキャン入門
http://www.tez.com/blog/archives/001629.html

今週の予定
19日(月)
日本は「海の日」の祝日
英ライトムーブ住宅価格(7月)
ユーロ圏経常収支(5月)
米NAHB住宅市場指数(7月)
20日(火)
日本・景気先行・一致指数、確報値(5月)
豪中銀理事会議事録
スティーブンス豪中銀総裁 講演(金融危機の長期的影響)
独生産者物価指数(6月)
スイス貿易収支(6月)
英公共部門ネット負債(6月)
米住宅着工件数、住宅建設許可件数(6月)
カナダ中銀政策金利
21日(水)
日銀金融政策決定会合議事要旨(6月14-15日開催分)
英金融政策委員会(MPC)議事録(7月7-8日開催分)
米MBA住宅ローン申請指数(7月16日までの週)
カナダ卸売売上高(5月)
バーナンキFRB議長 証言(半期金融政策報告)
ブラジル中銀政策金利
22日(木)
ドイツ製造業・非製造業PMI、速報値(7月)
ユーロ圏製造業・非製造業PMI、速報値(7月)
英小売売上高(6月)
ユーロ圏製造業新規受注(5月)
カナダ小売売上高(6月)
米新規失業保険申請件数(7月17日までの週)
米中古住宅販売件数(6月)
米コンファレンスボード景気先行指数(6月)
米住宅価格指数(5月)
ユーロ圏消費者信頼感、速報値(7月)
南ア中銀政策金利
23日(金)
欧州ストレステスト結果公表予定
独Ifo景況感指数(7月)
英GDP、速報値(第2四半期)
カナダ消費者物価指数(6月)

2 件のコメント:

  1. 本のデジタル化を自分で行うのを「自炊」と言うそうです。
    ずいぶん前からはやっていたので代行業者が出てきても不思議ではないですね。

    梅雨も明けて暑くなりました。HDDの編集は暑さのせいかほとんど進んでいません。アニメも新しシリーズがスタートしています。今回は、もやしもん実写版が楽しみです。

    木工も暑いと集中力が続かず午前中と夕方でないとできません。


    もうすぐ世界コスプレサミットと大須まつりですね。8月末にはハンズメッセもありますし、バテている暇はないですね。

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  2. TXIさん、こんにちは
    梅雨が明けて、暑いですね!
    SONYのカメラもうい台も無料で修理出来たので、栄えまで自転車で行ってきましたが、とっても暑かったです。
    月末は大須でのお祭りがあるので、出かけたいと思います。

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