日本の格差問題は多くの経済学者が指摘するように、所得格差を示すジニ係数で見る限り、日本の格差はOECD(経済協力開発機構)諸国の平均程度で、それほど大きいとは言えない。
政府の役割は、所得の再配分です。インフラ整備も富の分配ですし、富める者からお金を取って、貧しい者へお金を配る・・・政府って、ねずみ小僧か(笑)。
ところが、本当に富める者から貧しい者へと言う再配分が出来ているならまだ良いが、日本と言う国は貧しい若者から豊かな老人に所得再分配しているらしい。
管総理大臣の所信表明演説を聞く限り「高負担」「高福祉」を目指している、民主党ですが、日本は、数字的には「高負担」ではない。
国民負担率は40%程度で、主要国では低い分類に入る。しかし政府債務がGDP(国内総生産)の2倍近くに達しているので、国債を増税で償還した場合、将来へつけを回した部分も考えると国民負担率は60%近くになる計算。
では、「高福祉」はどうかと言いますと。
社会保障というのは、基本的には一部の国民から他の国民へのゼロサムの所得移転で、公共サービスやインフラの部分は削除して考える。したがって、所得の再分配によって所得格差が縮まっているかどうかを見る必要があります。
数字を見て行くと、日本は世界でも珍しい、所得再分配で格差が悪化する国なんですねー何だこれは。
OECDの対日経済審査報告によれば、全年齢のジニ係数(高い方が不平等)で見ると、日本は所得再分配前の「市場所得」では調査対象となった14カ国のうち11位だが、再分配後の「可処分所得」では5位と順位が上がっている。
これは日本の社会保障が、所得再分配の機能をほとんど果たしていないためだ。政府の今年度予算では社会保障費は27.3兆円だが、この他に厚生労働省の所管する特別会計を含めると社会保障関係費は111.6兆円。その70%以上が年金・老人福祉に使われている。
見た目は、所得の少ない人に配分されるようになっている。
一番貰っているのが老人で、老人の主要な所得は年金なので所得は少ない分類になるが、日本の家計貯蓄の3分の2は60歳以上が持っているので、資産ベースで見ると、日本の社会保障は貧しい若者から豊かな老人への「逆分配」になっている。
まあ、60歳以上の人とひとくくりにすると、「おれはそんな金持っていないぞ」と言うかもしれませんが、意外と持っている人は大勢いるようです。
このように老人福祉が非常に手厚い一方で、雇用保険や生活保護などの貧困層への所得分配は少ないので、本当に困っている人への再分配が少ない。
つまり、日本の社会保障は、豊かな人から貧しい人に所得を再分配するのではなく、勤労者から高齢者に所得を移転している。
しかし問題はまだ始まったばかりで、日本の年金は、年金給付を同時期の現役世代が負担する「賦課方式」なので、高齢化が進むと負担が急増する。今は現役3人で高齢者1人を支えているが、2023年には現役2人で高齢者1人を支えることになる・・・私が年金貰うころか、若者頑張ってください!
2012年頃から団塊の世代が引退して急速に高齢化が進むため、現役世代の年金負担は激増する。生涯の税・年金の受益と負担の差は、現在の60代以上では大幅なプラスだが、20代では大幅なマイナスで、その差は8000万円以上だそうで、今、生まれた赤ん坊は、生涯に1億円近い債務を負う世代間格差が生じるそうです。
能力に応じて所得が増える格差は仕方が無いとして、いつ生まれたかによって1億円もの格差が生じる不公正は日本の将来を危うくする。
まして社会保障制度がその格差を拡大している。
政府は「高福祉・高負担」か「低福祉・低負担」かという一般的な選択ではなく、「老人の高福祉・若者の高負担」になっている社会保障制度の改革を行わないと行けません。
方法としては年金を「積立方式」に切り替えるとか民営化するなど、今の制度を一度止めて、新しい制度を作る必要があります。
しかし、現政権はこうした問題を避けていますし、そればかりか、菅内閣は「強い社会保障」と称して来年度予算では社会保障費をシーリングから除外してしまいました。
まあ、高齢者が彼らの選挙基盤なので、老人の為の老人による政治になる・・・老人しか選挙に行かない。
年金利権も共済や厚生の労働組合の既得権益になっていて、これを止めるわけにはいかない現状もあります。
日本が金持ちと貧乏人の格差の大きい「格差社会」だというマスコミの宣伝は嘘のようですが、老人と若者の世代間格差は世界最大でこれが真実です。
このまま毎年1兆円以上も社会保障費を増やしてゆくと、年金財政が破綻するだけでなく、今後もっと負担の大きくなる労働者は勤労意欲をなくして、日本政府そのものの破綻が間違いなく起こるでしょう。
FX投資
AUD/JPY買い80.310売り80.384
AUD/JPY買い80.348売り80.406
AUD/JPY買い80.384売り80.415
AUD/JPY買い80.400売り80.469
日銀がお休みに入ってからの、米雇用統計悪化。
1US$ 81.7円まで、行きましたねー、月曜も日銀お休みなので、80円トライかなと・・・完全に投機筋に手玉に取られています。
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