2010年10月8日金曜日

企業年金の疲弊

 今日は3本目ですが、企業年金のニュースがありましたので、ちょっとUP。
日生、運用低迷で企業年金10%減
自社分、労組に提案
  生命保険最大手の日本生命保険が、労働組合(組合員約1万4000人)に対し、自社の企業年金の支給総額を削減する提案をしたことが7日、分かった。退職金の水準見直しなどで、従業員1人あたりの支給総額は平均で10%程度減る計算だ。運用利率の低迷に加え、会計基準の変更により、企業年金の積み立て不足を抱える企業では財務が一気に悪化する恐れがあるためだ。他の企業でも見直しが相次ぐとみられる。
 日生は、労組の了解が得られれば、厚生労働相の認可を経て、2011年度にも制度を変更する方針だ。
 関係者によると、退職金の支給額や、年金運用の原資である積立金を減額するほか、日生の業績に応じて見直せるようにする。さらに、受け取り期間を、最大15年から最大5年間に大幅短縮する。これにより、企業年金の積立金は現在の約8000億円から1000億円近く削減でき、全額を拠出している日生の負担が軽くなるという。
 超低金利に加え、08年秋のリーマン・ショック後、各国が金融緩和に踏み切ったことで、国債など運用資産の利回りは低い水準で推移している。企業が想定した利率で年金資金を運用できないことが常態化し、多くの企業で積み立て不足が生じている。

 今回の【日生】の10%削減ですが、年金受け取り期間を現行の15年から一気に5年間に短縮することも盛り込まれており、更に業績に応じて変動するという項目も入っているようです。
 今後も景気の低迷が続けば、大幅な削減から支給停止というこもあり得ます。
 企業がつぶれるかどうかになれば、企業年金は停止となりますが、株価の低迷と事実上の0%金利復活で年金運用は危機的な状態に追い込まれており、今後、新会計基準に合わせることが出来ない企業は、年金倒産とならないよう、国に返上もありえます。
 また、10年後退職した企業が存続しているか?も疑問な現在、そうなると、さらに支給金額が落ち込みます。
 だいたい、今のゼロ金利の日本で、利回り3%以上(今もらっている人は5%)で複利計算している年金は、並みの投資ではリターンが出ません。
 まして、株式運用をして大きく赤字を出している状態、10年後何も残っていない企業年金が一杯でしょう。
 まあ、無いよりはましかも知れませんが、掛け金元本割れも視野に入れておかないと、貰えるときに愕然とすることになりかねません。

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