2010年10月4日月曜日

GDPは上がっても給料が下がり、国内の産業は壊滅する

給料が下がる今後ずーっと! で、労働者の給料が下がり続けるだろうと言うようなことを書きました。
 今日は、その続きで、思ったことを書いています。
 その中で、給与水準の低下が続く日本、わずか1年で一人当たりの平均が5.5%減、総額で7.2%減と見るも無惨な有様が伝えられました。
 これは過去最高の減少幅を更新するもので、とうとう1989年当時の水準にまで下落しています。
 今後、このような急激な賃金抑制が続けば、いずれ韓国や中国を下回る日が来たとしても不思議ではありません。
 今でも、中国沿岸部1億3千万人の年収は400万円ほどになっているとも言われ、日本の人口と比較すれば、購買力は日本の比ではなく、とても大きい。
 こうなると、生き残りをかけた企業は日本での商売などは見切りをつけて、中国に出ていくのは判ります。
 国内の企業が正社員から派遣またまたアルバイトへ労働者の待遇を変えて、ひたすら賃下げに励むのは中国などの新興国と製造業で張り合おうとする日本的経営の理想に沿っているのかも知れませんが、これは同時に国内市場を崩壊させる要因ともなっているわけです。
 日本で働く人に十分な賃金が支払われなくなっているのに、日本国内でモノの売り上げが伸びるはずがないですよね。
 給与水準の低下に対して、不況だから、デフレだからとマスコミは言ってきました。
 本当にそうなのでしょうか? 確かに、「実感」としては不況なのかも知れません。給料が上がらないのですから、景気が悪く感じられるのも当然です。しかし統計が示唆するのは、そうした印象論とは反対に見えます。
 比較して給料が同じになった、1989年の名目GDPは407兆円です。
 現在はどうでしょう、2009年のGDPは474兆円です。たしかに2007年をピークに2年連続で低下しているものの、1989年に比べれば20%ほど増えています。要するに、不況と言いつつもこの20年で見れば経済は成長している、それにも関わらず給与水準は20%増えていません。
 分配のパイは高度成長期のようには増えない「だから格差解消のためには正社員を減らさないといけない」などと言っている経済学者や経営者がいますが、この20年は世界経済に比べて格段に緩やかな成長でしかなかった日本でさえ、戦後最長という異例の長期間にわたって分配のパイは増え続けてきた。
 しかし分配のパイは増えても決してそれを労働者側に分配しようとしなかったのが日本の支配者層(経営者)で、それが原因で日本市場の購買力を失わせてきました。
 つまり、数字を見る限り、不況だから給料が上がらないのではなく、給料が上がらないから不況なのです。
 景気回復局面にあっても不況を装って賃金を抑え、本物の不況が訪れればここぞとばかりにさらなる賃下げに走る、この結果として売上高は前年度よりも減ったけれど純利益は増加と言うような大企業が続出しました。
 こうした人件費削減によって利益を確保するという経営を行っている限り、日本国内の不況もまた終わるはずがない。
 経営側にしてみれば不況のおかげで空前の買い手市場、こうした状況は経営者側にとっては良いものなのかも知れません。
 しかし、人件費を削って利益を確保するのは自分の足を食べているタコのようです。
 このままでは日本市場は崩壊します。

 対策として政府のやるべきことは、企業の人件費抑制を阻止することです。逆にやってはいけないのは、より一層の人件費削減を可能にするような規制緩和です。
 しかし企業は日本国内の崩壊は気にしない、今後伸びる海外で金儲けが出来れば、日本国内に本社も置く必要が無い。
 こう書いてしまうと、日本の将来は無いと言う結論になってしまい、考えが先へ進みません。
 日本の国民の為、日本の利益の為と言う政治家と企業家の出現は夢また夢なのでしょうか。
 現時点では、日本国内の給与所得者、ひいては日本市場を犠牲にしてでも経営側に便宜を図ることの方を優先している、政府にしか見えません。

 FX関係
今週は金利関係の発表と週末に米雇用統計です、また、大きく動くか、注目しないといけません。
4日(月)
米中古住宅販売成約指数(8月)
日銀金融政策決定会合(5日まで)

5日(火)
豪中銀政策金利
日銀政策金利、白川総裁会見
スイス消費者物価指数(9月)
CIPS非製造業PMI(購買担当者指数)(9月)
ISM非製造業景気指数(9月)

6日(水)
ポルトガル国債入札
ユーロ圏GDP・確報値(第2四半期)
ドイツ製造業受注(8月)
ADP雇用者数(9月)
Ivey購買担当者景況感指数(9月)

7日(木)
豪雇用統計(9月)
英鉱工業生産(8月)
英中銀政策金利
ECB政策金利、トリシェ総裁会見
米新規失業保険申請件数(926日の週)

8日(金)
スイス失業率(9月)
ドイツ簿駅終始(8月)
英生産者物価指数(9月)
カナダ雇用統計(9月)
米雇用統計(9月)
G7(ワシントン)

4 件のコメント:

  1. 日本人は清貧という言葉が大好きです。

    したがって貧乏であっても清ければいいのですよ。それも周囲のみんなも・・・

    逆にマカオのようなことをすれば日本経済も上向く可能性があるにもかかわらず、やらないのは清貧の理念に合わないからです。ギャンブルに売春の合法化、日本人が発狂するテーマです。ちなみに私が言ってきたシンガポールやドバイの真似をしろというのは無理ということがわかりました。なぜなら日本人の多くは外国語やろうとしないし、金融業が幼稚だからです。
    唯一見習うべきは語学の必要のないセックス産業、つまり日本のマカオ化です。

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  2. カルロスさん、こんにちは
    日本人ってマゾなんでしょうかね?
    ます公務員以外は貧乏になりそうです、その後、公務員も貧乏になるのは判り切っていますので、みんなで貧乏なら良いのでしょうか(泣)
    ギャンブルは、FXに顧客を取られた公営ギャンブルが法改正してFXを締め上げていますが、民間が寺銭をほとんど取らずにやると、国民を守ると言うお題目を唱え、叩き潰される国ですよね。
    このまま、没落する国としか思えませんので、自分のことは自分で守るよう頑張ります。

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  3. 給料が下がる原因の1つに社員/従業員のレベル低下が原因ではないかと思われる事が通販のトラブルで分かりました。
    トラブル最終決着がつきましたらコメントで投稿したいと思っています。もちろん、トラブルの相手の社名も出します。

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  4. 今のところ、通販のトラブルはありませんが、これだけ買っているとなにか起こるかもしれません・・・
    ネコ便は時間指定しても、守りません、時間が?と言うと「車があったのでお届けに来ました」と・・・

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