テーマ:加速する産業空洞化の影響
マクロ経済分析レ―ポートの要旨を引用
○ 欧米の財政・金融環境の悪化により、対米ドルで過去最高値近くまで円高が進んでいる。円高は、企業に生産拠点の海外移転を促すなど、国内経済に大きな影響を与える。
○ 国内生産が海外生産に代替される経路から生じる産業空洞化の影響を試算した。2008 年度では、日本から海外現地法人への輸出が誘発される効果が22.6 兆円(輸出誘発効果)あったものの、現地法人からの輸入増による国内生産減が▲10.3 兆円(逆輸入効果)、海外現地法人への生産代替による国内生産減が▲48.8 兆円(輸出代替効果)あり、合計すると生産拠点の海外移転により国内生産額が▲36.5 兆円下押しされたという結果を得た。
○ サービス業の雇用吸収や非正規労働者数の増加などはあったものの、生産拠点の海外移転は国内生産の減少を通じて、雇用機会を喪失させた。海外労働市場との競合を背景とした非正規化や雇用のサービス産業等への移動は、所得の低下要因として消費の抑制要因となってきた。
○ また、輸出減少は輸出財の生産工程に対する投資(外需誘発投資)を縮小させる。2006 年には、投資の19.2%に相当する23 兆円が外需誘発投資であり、製造業のうち輸送用機械、電気機械などでは外需誘発投資が投資総額の50%超を占めた。よって、最近の円高は、輸出減少を通じて国内投資をさらに抑制させる要因になると示唆される。
○ 以上のような内外需の経路を通じて、円高はデフレ要因になるといえる。足元の円高は大幅に拡大している需要不足をさらに拡大させ、需要動向の不確実性を高める結果、日本経済におけるデフレ解消をますます難しくすると考えられる。
円高の問題を液晶テレビの価格で見てみます。
ソニーのTVの価格、そんなに高機能でなく売れ筋のLEDバックライト液晶テレビで日本国内とアメリカでの販売価格を比較。
BRAVIA KDL-52EX700
日米のAMAZON価格を最安値で比較すると。
Sony Bravia KDL-52EX700 52-Inch 1080P 120Hz LED HDTV, Black by Sony
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【エコポイント対象商品】ソニー 52V型地上・BS・110度CSデジタルフルハイビジョン液晶テレビBRAVIA KDL-52EX700-B
価格: ¥ 188,000
AMAZONの最安値を探すと188,000円、アメリカ$1,516(およそ¥123,000)です。
たぶん、同型液晶TVで、映像部分は同じになります。
AMAZONの最安値を探すと188,000円、アメリカ$1,516(およそ¥123,000)です。
たぶん、同型液晶TVで、映像部分は同じになります。
違いは、デジタルチューナー部ですが、アメリカのデジタル放送も特殊な為、この辺のコスト差は無いはず。
差が出るとしたら、B-CAGカードの回路とカードの値段ぐらいか・・・
たぶん、SONYのこのクラスは日本製ですがアメリカで売られている物は同じ物でも日本製では無いと思われます。(アメリカには工場が無い、アメリカ製ではないので単純な比較ではありませんけど)
国内で売られている、このクラス以下(40インチ以下)は多分マレーシアか、中国(会社は韓国で製造は中国)ODMかな?
このテレビの値段差は、6万5千円です。
単純に30%アメリカの方が安い、よくビックマックの値段でドルと円の比較をしてまだ、円高で実力は65円くらいになるとかのご意見もありますが、これも調べてみました。
今の時点でビックマックの価格を調べてみましたら、日本では通常価格320円ですね、アメリカでは$3.73で$1/ 80円とすると、298円でアメリカの方が安い・・・最初の65円はどうした・・・日本ではたまに限定200円とかのセールをやるので、この時に比較しているのではないか?数字はどういう風にもいじれるので、エコノミストとか経済学者のご意見は鵜呑みに出来ません。
工業製品での比較ですと、円が高すぎることになります。
日本で作っても原料部品は、世界で一番安い所から調達した輸入品で作ります。これは世界どこで作っても同じで、最小のチップ抵抗や画像処理のLSIでも、値段は大きく変わりません。
違うのは流通経路のコストぐらいですが、これも大きく変わらないはずです。
この値段の差は、単純に労働者の賃金コスト(経営者や製造技術者も含みますが、設計者は同じなので含みません)と製品流通コスト(運送だけでなく、営業マンと店舗の店員+ハンドル各会社の利益・・・ようは日本で物をお客まで届けるコスト)の差になると思います。
円高は輸入部品や使うエネルギー(電気代)は相殺されますが、そこにかかわる労働コストは、相対的に上がることになり、この価格差を生じさせます。
ビックマックと同じ考え方をするなら、今の円は80円より30%安い105円くらいが実力になると考えるわけです。
色々見てみますと、やっぱり今の円相場は行き過ぎです。
この経済戦争、日本政府は本腰を入れて勝つことを考えないと、今の既得権益でぬくぬくと暮している人達は近い将来、地獄を見ることになるでしょう。その後、働けない老人を若者は誰も助けてくれません。
11月4日
03:15 2010-11-4 米国 FRB政策金利
06:45 2010年第3四半期 ニュージーランド 失業率
09:30 9月 オーストラリア 貿易収支
09:30 9月 オーストラリア 小売売上高(前月比)
17:00 11月 ユーロ ユーロ圏非製造業PMI(購買担当者指数)
17:15 10月 スイス 消費者物価指数(CPI)(前月比)
17:15 10月 スイス 消費者物価指数(CPI)(前年比)
17:55 10月 ドイツ 非製造業PMI(購買担当者指数)
19:00 9月 ユーロ ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(前月比)
19:00 9月 ユーロ ユーロ圏生産者物価指数(PPI)(前年比)
21:00 2010-11-4 英国 英中銀政策金利
21:45 2010-11-4 ユーロ ECB政策金利
22:30 10/24 - 10/30 米国 新規失業保険申請件数
23:00 10月 カナダ Ivey購買担当者景況感指数
FX投資
AUD/JPY買い81.220売り81.299
AUD/JPY買い80.899売り80.978
AUD/JPY買い80.860売り80.897
AUD/JPY買い80.880売り80.908
AUD/JPY買い81.220売り81.299
AUD/JPY買い80.899売り80.978
AUD/JPY買い80.860売り80.897
AUD/JPY買い80.880売り80.908
ちっと話がズレますが日米の価格差が無茶苦茶なのが木工用の電動工具です。
返信削除アマゾンのUSAには日本のマキタ、日立、リョウビ等の電動工具があります。日本と同じ機種はありませんが、日本で販売されているものより性能が良くて安いものばかりです。具体的な例はちょっと時間がないので調べていませんが、2倍から4倍ぐらいです。
個人的には、マキタのルータとリョウビのテーブルソーを持っています。
国内の木工用電動工具の多くは中国製ですが価格は下がっていません。
マキタ、日立、リョウビやパナソニックのこの分野にデフレの傾向はありません。
ただし、ホームセンターで売っているSPF材(1x4 6フィート)だけは、以前より安くなっています。
TXIさん、こんにちは
返信削除日本の工業製品って、日本が一番高いようです。
円高なので、工具安くなってもいいはずですよね。
最近の32インチテレビは、ほとんど海外製なので安くなっていますね。
海外で生活していた時期でも、テレビとかは同じメーカーなのに海外の方が安かったです。
面白かったのは、水道の蛇口で、タイではセラミック開閉の蛇口(レバー式)が当たり前で日本だと数万円する物が同じ品質で何千円と恐ろしく安かったです。
ねじ切り規格は同じなので日本へ持ってきて使おうとしたら、日本は公共水道につなげる物は、水道器具検査協会の認定を受けたものでないと使えないんです。(JHIA)
これは、厚生労働省の天下り機関 財団法人日本燃焼機器検査協会 検査部なんです。