最低賃金上昇で弱者締め出し
現行制度で最大幅の引き上げとなる最低賃金の改定が始まった。低所得者層の収入を底上げし、格差是正につなげるのが狙い。一方で、社会的弱者の雇用そのものが失われるとの声も上がる。
この中で、こんな内容が堂々と書かれています。
「結果的に収入は減る」
最低賃金が669円から681円に引き上げられた山口県にあるコンビニエンスストアのオーナーは苦境に立たされている。この店では売り上げが落ち込む中での改定で、売上高人件費比率は6%から7%に上昇するという。
「今まではピーク時に3人体制を敷いていたが、2人にする。バイトを辞めさせたくはない。結局1人当たりの労働時間が減り、バイトの収入も減ることになるだろう」
この記事の中でうん?と気になった部分。
最低賃金引き上げに反対している人の話をそのまま書いた?経済紙の編集に携わる記者は誌面にする前にきちっと計算するはずですが?
最低賃金が引き上げられればバイトの勤務時間を減らして対応するので、結果的にバイトの収入も減るなどと言っています。
バイトの収入が減るということは、コンビニ側が支払う人件費もまた減ることをさらっと書いていませんか?
計算すると「便乗賃下げ」ではないですか?
どさくさに紛れて人件費をカットしようとしている、経営者の話?(疑問符ばかりですみません)
1%ってどのくらいの差かを計算! 7 ÷ 6 =1.16666666…
賃金の上昇率を計算! 681÷669=1.01793721…
最低賃金が669円から681円に引き上げられたことで「売上高人件費比率は6%から7%に上昇する」と書かいていますが、売上高人件費比率の変動が6%から7%になる点を、最低賃金引き上げのせいにするのでは計算が合いません。
売上人件費率が6%が7%に上がるためには賃金が1.167倍の増加が必要なはずですが、669円から681円では、1.018倍の増加でしかありません。
時間当たりの人件費が1.018倍になっただけで、どうして売上高人件費比率は1.167倍になるのでしょうか?
数値が示す限り、最低賃金の引き上げによる売上高人件費比率への影響はほとんど無いはず。
本当に売上高人件費比率が1%上昇しているのなら、それは最低賃金引き上げの影響ではなく、単に売上が落ちただけではないでしょうか。これを最低賃金の上昇のせいにするのは変なのです。
重箱の隅をつっつくブログで済みませんが、有名な経済紙なのでじっくり読んでしまします。
今週の予定
週末にG20首脳会議 中国の指標
8日(月)
米国とカナダは冬時間
日銀金融経済月報
ブラード・セントルイス連銀総裁講演(ニューヨーク)
フィッシャー・ダラス連銀総裁講演(サンアントニオ)
ウォーシュFRB理事講演(ニューヨーク)
ユンケル・ユーログループ議長、欧州議会の経済・金融委員会で証言
9日(火)
NZ中銀が半期金融安定報告書を公表
日・国際収支(9月)
英鉱工業生産(9月)
10日(水)
中国貿易収支(10月)
米新規失業保険申請件数(11月6日までの週)
米貿易収支(9月)
米輸入物価指数(10月)
英中銀四半期インフレ報告
APEC閣僚会議(〜11日)
11日(木)
米国はベテランズデー祝日(為替、債券市場は休場、株式市場は通常取引)
日・機械受注(9月)
豪雇用統計(10月)
中国生産者物価指数(10月)
中国消費者物価指数(10月)
中国鉱工業生産(10月)
中国小売売上高(10月)
ロックハート・アトランタ連銀総裁講演(アトランタ)
G20首脳会議(韓国・ソウル、〜12日)
12日(金)
独GDP・速報値(第3四半期)
ユーロ圏GDP・速報値(第3四半期)
米ミシガン大学消費者信頼感指数(11月)
ゴンザレス・パラモECB専務理事講演(スペイン)
G20首脳会議(最終日)
13日(土)
APEC首脳会議(横浜〜14日)
どれくらいの人件費が上がるか単純な計算をしてみました。
返信削除1時間当たり、681-669=12円のUPですので、
1日8時間で31日で計算する12x8x31=2976円のUPになります。
ただし、交通費を支給しなくてよいアルバイトとした場合です。
パーセンテージでなく金額ベースですとそれ程でもないと思いますが・・・・
TXIさん、こんにちは
返信削除この金額は、アルバイトですね。
大した賃上げでないのに、労働者の手取りが下がると言う、”悪徳経営者”の意見をそのまま載せている、経済誌もレベルが低いです。
この話は、分母である売上が下がって、労働単価の比率が上がったと言うことなんでしょう。
困った、本です・・・・