2010年4月23日金曜日

日本の貿易収支を見る

貿易収支をグラフ化してみました
財務省資料からグラフ化

日本経済は、最近、経常収支のかなりの部分を所得収支で稼ぐ構造となっています。
つまり、単純に製品の輸出金額から輸入金額を引いた部分のお金が少なくなっていると言うことです。
いわゆる貿易で黒字を稼ぐのではなく、海外に投資をした収益で黒字を稼いでいるのが現状です。
対外収支が黒字と言っても、日本は貿易立国ではなくなっているのが現状のようです。

経常収支は,貿易サービス収支,所得収支,経常移転収支から成っています.
(経常収支=貿易サービス収支+所得収支+経常移転収支).
1985 年以降の日本の経常収支を,各項目別に示すと以下のグラフのようになります.

 このグラフを見て判るのは、90 年代前半までは確かに、財の貿易が経常収支に貢献する割合が大きく、所得収支は小さいと言えますが、90 年後半以降は、むしろ所得収支が貿易サービス収支を上回る傾向があり、直近の2008年と2009年では,経常収支のほとんどが所得収支で占められていることに注目です。
 2008年と2009年は特異ケースかもしれませんが、輸出の金額が大幅に減りました。
 所得収支への依存が顕著な日本ですが、その所得収支も円高があって減少傾向にあります。
 長期的に見たときには、日本経済が国内で生産した財の貿易で黒字を稼ぐ構造(いわゆる加工貿易)から、対外資本投資の見返りとしての所得収支で黒字を稼ぐ構造になってきている傾向にあります。
 対外投資(例えば米国国債)の配当として得た所得が国内で分配されているはずですが、海外投資を行っている個人は少なく、機関投資家のような企業が内部保留としてため込んでいるので、国民に分配されていない可能性もあります。
 なぜなら、投資の原資である預金は日本の場合非常に金利が小さく設定されており、投資のリターンが預金者に回らず、銀行や機関投資家が肥え太る構造になっているのではないでしょうか。
 貿易が黒字でもそのお金は支配者階級の金持ちにしか回らず、庶民に回らないお金は内需を増やさない、ついでに円高で生産工場は海外へ流出しまくっています。
 これを見ると、やはり日本は円安政策が必要と感じます。
 それとも、円高を利用してが海外投資を大幅に増やしてから、日本はリセットをかけて、円を暴落させ、輸出も金融も不死鳥のごとくよみがえらせるストーリーは無いのでしょうか。(これやると日本で餓死者が大量のでるか)

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20:00   3  カナダ  消費者物価指数(CPI)(変動8品目除コア)(前年比)
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