2010年12月6日月曜日

日本の国債は銀行が買い支え続ける?

国債発行総額、11年度は最大に 借り換え響き170兆円
2011年度の国債発行総額が170兆円台に乗せ、過去最大に膨らむ見通しとなった。政府は11年度予算の財源となる新規債を今年度並みの44兆円以下に抑える方針だが、過去に発行した国債の借り換えが10兆円程度増える。財務省は債券市場への影響を考慮して、今年度中に一部を前倒し発行する考え。ただ、12年度以降も高い水準の発行が続く見通しで、安定消化は綱渡りとなる。
 国債発行総額は政府が1年間に発行する国債の合計で、毎年の予算の財源となる新規財源債、借換債、財政投融資に使う財投債がある。予算編成で新規債と財投債の発行額が固まるのを受けて、12月下旬に発行計画をまとめる。
 発行総額が増えるのは、リーマン・ショック後の景気対策の財源として過去に発行した国債の一部が来年度に満期を迎え、110兆円以上の借換債を発行しなければいけないため。今年度15.5兆円の財投債も大きく減らせない見通し。政府が6月に決めた財政運営戦略を守って新規債を44兆円以下に抑えたとしても、発行総額は今年度の162.4兆円を大きく上回りそうだ。
 政府が発行する国債は
(1)金融機関への入札を通じた市中発行
(2)個人向け販売
(3)日銀による保有国債の借り換え
――という3つのルートで消化され、うち市中発行が約9割を占める。財務省は金利上昇を招かず市場に円滑に消化してもらうための対策を検討している。市中発行のうち定期的な入札を通じて発行する分の急増を回避する方向だ。
 今年度中に来年度発行する借換債の一部を前倒しして発行できる仕組みを活用する。財務省は09年度決算で税収が予算を上回ったことなどから、今年度予定している入札ペースを変えなくても、10兆円程度の前倒し発行が可能とみている。定期的な入札を通じた発行額を最大でも3兆~4兆円増にとどめる方向だ。
 ただ、借換債は12年度以降も高水準の発行が続く見通しで、国債発行総額は今後も伸び続ける。野村証券の西川昌宏チーフ財政アナリストの試算によると、20年度には発行総額が約215兆円、市中消化額は194兆円に膨らむ可能性がある。金融機関などの引き受け分が10年間で年40兆円以上増える計算だ。
 日本は財政危機が表面化したギリシャやアイルランドと異なり、国債の国内保有比率が9割を超える。足元では銀行などが積極的に買っており安定消化に不安はないが、中長期的には市場環境が変化する恐れもある。リーマン・ショック後、国債に依存する財政運営が世界的に広がっており、金利上昇を抑えつつ円滑に消化する国債管理政策の重要性が増してきた》

 個人向け国債の金利が0.35%とばかばかしいほどの金利しか払わないため、消化が少ない一方で、メガバンクの貸し出しの需要の低迷(リスクのある中小企業には貸さない)であふれたマネーは、日本の国債を買っています。
 三大メガバンクの2010年4~9月期決算は、連結純利益の合計が1兆1000億円と前年同期の3.2倍に膨らみました。この好決算は、預金金利が0.03%と預金者をバカにしたような低金利によって、銀行は企業努力をしなくても国債との金利差でぼろ儲けしているわけです
 ただし、大量の国債購入は、金利上昇による国債の暴落というリスクがあるのですが、銀行は中小企業への貸出よりはリスクが少ないと踏んでいるのでしょうね・・・日本政府が破綻しないって。
 新規発行44兆円以下と言っていますが、新規であって借り換え分はいつも話題にならない、実際の国債発行額が160兆円以上もあることは、そんなニュースが出ても、マスコミは騒がないようにしています。
 本当は隠れ国債なる「臨時財政対策債」と言う、地方交付税の不足分を地方の銀行でも買わせている物があり、国債発行額を見た目は少なくすることも、自民党時代からやっていています。
 本当はもっと借金多いのです。
 この「臨時財政対策債」、翌年以降に国が補てんする約束になっれいる物でなので国債発行と同じです。
 こんな地方債で国の借金をごまかしていることは、ほとんどの人は知らないと思います。
 この「臨時財政対策債」はまた後日書きます。
 話はもどって、この膨大な借金は低金利によって維持されています。
 究極なことを書くならば、日本国内の景気を良くすることは出来ないと言うことなのです。
 景気が良くなると需要が増加して、物価が上がり、インフレを抑えるために金利を上げる・・・・普通の経済学ならこうなりますが、日本の場合、金利上昇は致命傷です、国債の金利上昇は、返す利子が払えなくなる・国債価格が暴落するので銀行は持っていられないとネガティブスパイラルになります。
 まあ、少子高齢化の日本では今後景気が良くなることはありません。
 衰退していく、日本では需要は減る一方で、輸出も製造関係は海外へ出ていくので、仕事も無くなります。
 若者は海外で働くことになりますが、これもエリートと搾取されるだけの労働者に分かれるでしょう。
 景気がこのままでも、税収が落ち込み、貯蓄が減っていく日本で、今後増えていく国債を買い支えられるか、とっても疑問?
 とは言え、現時点で景気回復は日本政府にとっては致命傷「景気は悪くしておかないとね」が官僚の本音ではないかと思います。
 いつか日本政府が破綻して(いつかは判らないが、破綻することは確実)、年金・社会保証が無くなってから、あわてないように、対策はしっかりしておかないと大変なことになります。
  
今週の予定
6日(月)
加住宅建設許可(10月)
Ivey購買担当者景況感指数 (11月)
バーナンキFRB議長報道番組出演
ラッカー・リッチモンド連銀総裁講演(ノースカロライナ)
欧州財務相会合(ブリュッセル、7日まで)
7日(火)
豪中銀政策金利発表
日本景気先行指数・速報値(10月)
日本景気一致指数・速報値(10月)
英鉱工業生産(10月)
英製造業生産高(10月)
独製造業受注(10月)
加中銀政策金利発表
欧州財務相会合(ブリュッセル)
ブラジル中銀政策金利発表
アイルランド議会、予算案提出
8日(水)
日国際収支(10月)
日機械受注(10月)
独経常収支(10月)
独貿易収支(10月)
独鉱工業生産(10月)
加住宅着工件数(11月)
英中銀政策金利決定会合
NZ中銀政策金利発表
リッカネン・フィンランド中銀総裁講演(ヘルシンキ)
9日(木)
日実質GDP2次速報値(第3四半期)
GDPデフレータ・2次速報値(第3四半期)
豪雇用統計(11月)
独消費者物価指数・改定値(11月)
独調和消費者物価指数・改定値(11月)
英商品貿易収支(10月)
BOE政策金利発表
米新規失業保険申請件数(124日までの週)
米卸売在庫(10月)
韓国中銀政策金利発表
10日(金)
中国貿易収支(11月)
英生産者物価指数(11月)
米貿易収支(10月)
米輸入物価指数(11月)
米ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値(12月)
ボルカー元FRB議長講演(ワシントン)
トリシェECB総裁、オルドネス・スペイン中銀総裁会見
11日(土)
OPEC臨時総会(エクアドル)

4 件のコメント:

  1. >とは言え、現時点で景気回復は日本政府にとっては致命傷!「景気は悪くしておかないとね」が官僚の本音ではないかと思います。

    景気が悪いままなら早く日本破綻でハイパーインフレになれは、借金が減るという事でしようか

    日本破綻で振り出しに戻った方が処理が簡単だと思いますが・・・

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  2. TXIさん、こんにちは
    官僚は今のまま、まったりと既得権益をおいしくいただき、老後を全うしたいだけでしょう。
    逃げ切るには、今のまま変わらないほうが良い・・・
    まして、日本破綻なんかしたら、すべての既得権益が吹っ飛ぶので。
    官僚はずるがしこいので、天下り先で、たんまり退職金をいただいて、そのお金をキャピタルフライトして自分たちだけは逃げ切るつもりだと思います。

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  3. すべての政策の基本は

    日の丸ファイナンス-巨大化の果てに
    http://www.carlos.or.tv/today_jp/public_finance_200402.html

    にありますよね。
    デフレが続かないと持たないんだ・・・
    という一言が財務省のすべてです。

    景気がよくなれば、大元を潰す。
    ホリエモンもカリスマFX主婦もみんな同じ構図です。

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  4. カルロスさん、こんにちは
    読ませていただきました、それでここ10年以上、景気が回復しないのですね・・・・
    円安誘導とか、色々方法はあるのでしょうが、やるわけにはいかない・・・・このまま、衰退速度が加速していくと、どこかで突然死が待っています。
    逃げ道は個人で作るしかないようです。

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