2010年4月3日土曜日

電子マネーは政府の現金流通量を変化させる

電子マネー・おサイフケータイをやさしく解説


前払い方式の主要電子マネーの普及状況
2010331日付け日本経済新聞より)

発行枚数
月間利用件数
利用可能店舗数
Edy
5,580万枚
2,600万件
180,000
Suica
2,876万枚
2,783万件
83,210
PASMO
1,440万枚
1,188万件
70,000
nanaco
980万枚
3,200万件
31,599
WAON
1,340万枚
3,190万件
50,500
ICOCA
517万枚
129万件
70,370

(注)20102月末現在。「Suica」の利用件数は、JR北海道の「Kitaka」、JR九州の「SUGOCA」、西日本鉄道の「nimoca」を含む。



 最近、色々なショップで使える電子マネーは、お店の読み取り機が多種のカードに対応してきたことから普及が加速しています。
 家にある電子マネーを並べてみたら、エディーがメインで最近ワオンが追加です。
日本では使えないのですが、右上が香港のオクトパスと右まん中がタイのスマートパスは前に海外に住んでいたので持っている物です。
面白いことに、海外のカードもソニーのフェリカ技術によって作られており、ハード面では既に統一されているので、ソフト側でなんとでもなることが面白いです。

日本の電子マネーは以下のようにバラバラ、これにおさいふ携帯があって、困ることもあります。
鉄道会社が主に交通カードとして発行
 スイカ、パスモ、イコカ、ピタパ
流通グループがスーパーやコンビニで利用するために発行
 ナナコ、ワオン
電子マネー発行会社が、あらゆる場所で利用するために発行
 エディ
クレジットカードに代わるものとして発行
 id、クイックペイ、VISAタッチ

 始まりは1997年の香港からで、ソニーのフェリカ技術は開発されても、日本では使う側が整備されておらず、JR東日本(スイカ)が導入する前に、中国の特別区であり、国際金融センターとして世界に名を馳せる香港の電子改札システム入札に応募して採用されました。
 香港では「オクトパス」という交通カードがあり、毎日おびただしい数の人々が通勤や通学、買い物へ出かけるために公共交通機関を使っていますし、タクシーやパーキングメーターの交通関係だけでなく、ほとんどのショップで使える。
 国民が便利なインフラを1枚のカードに統一すると言った構想は日本では、お役所の既得権益があって出来ないのは情けないところでもあります。
 香港の累計発行数は2,900万枚におよび、人口(約680万人)を大きく上回っています。
 オクトパスは3年間の試用期間を経て19979月に本格サービスを開始。香港の六交通事業者の合弁で運営する多目的のICカードで、地下鉄・路線バス・スクールバス・ケーブルカー・フェリー等、香港のほとんどの公共交通機関で利用することが可能です。
 日本では、この香港での成功を見極めて、いよいよ大規模な導入を検討したと言うIT後進国です。
 まず、電子マネーの普及を進める目的とは何か?について考えますと、電子マネーの普及によって得られるメリットとして、利用者側としてはタッチ&ゴーに代表されるような利便性が主になり、生産者(サービスの提供者)側としては、現金の授受に代表される時間や人件費の効率化で有り、使用履歴がサーバーとカードに残ることで犯罪の防止が可能になります。
いずれも、硬貨や紙幣といったお金が持つ物理的な制約(小銭が必要な場合に、お釣りや両替が必要)を徹底的に排除することで、お金の流通量を増やして、「消費を拡大させる」ことが目的だと思われます。

 ここで、政府が問題にしそうなの点が考えられます。
 電子マネーは、電子決済における新しいお金として位置づけられています。新しいお金と言われる所以はこんなところにあります。
ある商品を購入した際に付いたポイントで他の商品を購入する、この際、後者の商品では現金ではなく、ポイントがお金の役割を果たしています。
つまり、最初に商品を売ったお店が、ポイントというお金を発行し、流通させているのです。
そもそも日本における現金の流通量は、日本銀行によって管理されています。
しかし、電子マネーはこの管理下から外れており、企業がつくりだすお金なのです。
そのため、電子マネーの流通量が増加すれば、新しい金融システムを成立させることも可能になるでしょう。また、電子マネーを様々な企業間でやりとりできるようにする電子マネー連合なるものが次々と成立しています。例えば、楽天―ANA―コンビニが提携し、お互いのポイントを利用できるようになっています。
こうした提携がこの先進んでいけば、何処でも電子マネーを利用できるような電子マネーインフラが整備されていくでしょう。
 フェリカ技術が世界でも使われていることから、日本規格から世界標準規格まで発展すれば、中央銀行を介さない世界共通通貨になれる可能性もあります、電子マネーの基本通貨を世界合成通貨(SDR)のような物で統一しておけば、世界どこでも使える・・・したがって電子マネーの拡大は、現在の中央銀行を中心とする通貨制度の根幹をゆるがす可能性を秘めているのです。
 国の介入があってそう簡単には行けないと思いますが、金融立国のどこかが始めると面白いビジネスになる予感がします。
 そんな面白いビジネスを展開して儲けるのは、規制が多すぎて統一も出来ない日本ではないことは確かです。

FX投資
AUD/USD 10枚買い0.91987売り0.92106
AUD/JPY 10枚買い87.007売り87.061
AUD/JPY 10枚売り86.391買い86.286
AUD/JPY 10枚買い85.967売り86.077
AUD/JPY 10枚買い85.907売り85.972
AUD/JPY 10枚買い85.950売り85.994
AUD/JPY 10枚買い86.200売り86.251

2 件のコメント:

  1. タイに行った時は、「スマートパス」を使い簡単に地下鉄が利用でき本当に便利でした。
    香港に行った時は、「オクトパス」を使い交通機関以外にコンビにやスーパーでも使えてとても便利でした。
    いずれもフリーでの旅行でしたので、現地で小額の支払いに通貨を使わなくていいのは本当に便利でした。
    あらためてカードを貸していただいた方に感謝します。
    個人的に日本国内での電子マネーは必要性がないので1枚も電子マネーのカードは持っていません。
    ただし、JCBとVISAのクレジットカードは持っています。最近は小額でもカードで支払いをするようになりました。


    >国の介入があってそう簡単には行けないと思いますが、金融立国のどこかが始めると面白いビジネスになる予感がします。
    私の生きている間には実現しないと思いますが、発想はすごくいいですね。

    >そんな面白いビジネスを展開して儲けるのは、規制が多すぎて統一も出来ない日本ではないことは確かです。
    やっとSIMロック解除が実現しそうな現状を見ると、世界標準となってから暫くして導入するのでしょうね。

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  2. TXIさん、こんにちは
    日本では、通勤で使うとかないとあまり意味がありませんね。
    私の場合、会社のIDカードでフェリカを使っていたので、よく使っていました。
     フェリカが入室ようの鍵だったのと、社員食堂がエディーでの支払いでしたので。

    電子マネーを世界で統一することは、国家の根源にも踏み込むので簡単には出来ませんが、そう言ったビジネスを先進国で話し合うと面白いのですけどね?最初にまとめた国に膨大な利益が転がり込むので、ものすごい攻防になるでしょう。

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